住民が刈り取った公園の草を使ったとみられるモズの巣＝福井県福井市運動公園4丁目

　福井県福井市運動公園4丁目の民家の庭木にモズが巣を作り、住民が子育てを見守っている。近くの公園で地域ぐるみで刈り取った草が巣材になったとみられ、愛情もひとしおのよう。 　周辺住民は協力して毎年5月下旬に公園の草刈りをしており、今年は作業後に集めた草のかたまりのそばを野鳥が行き来する姿が見られたという。その後、6月上旬に公園近くの民家の庭で、キンモクセイの木に鳥の巣と六つの卵があるのが見つかった。住民は「洗濯や花の水やりで木に近づくと親鳥が飛んできます。卵を守っているのかな」。 　市自然史博物館の出口翔大学芸員によると、野鳥はモズとみられる。道端に落ちているナイロンのひもなどを巣材に使うこともあるが、出口学芸員は「枯れ草で作られた巣はきれいで、この巣も標本にしたいくらい」と話した。