京大初Jリーガー誕生 GK田中雄大が地域L東北1部からJ3福島へ飛び級
J3福島は24日、東北1部みちのく仙台FCのGK田中雄大(25)が完全移籍で加入すると発表した。クラブによると、京大卒業生では初のJリーガーとなる。さらに地域リーグからJFLを飛び越えてのステップアップ。クラブを通じ「Jリーガーとしてのキャリアをスタートできることを大変うれしく思っています」とコメントした。 滋賀県出身で、県内有数の進学校、膳所(ぜぜ)高から京大に進学。農学部で生命科学を専攻し、サッカー部では知識を生かして栄養班リーダーを務め、部員の食生活管理をサポートした。高校と大学でともにプレーしていた酒井雄飛さん(26)は「専門的な視点で(栄養の)フィードバックをくれた。自分の持てる力、知識を発揮していた。声がよく通り、リーダーシップもあって熱い男」と語る。共通のトレーナーに師事し、ともにトレーニングしたことがある女子プロサッカー選手の成田恵理(26)も「真面目で、ずっとJリーガーになりたいと言っていた。覚悟が凄かった」と明かす。 プレーではセービングはもちろん、キック力も武器で、ロングカウンターで好機を演出する。関西1部のおこしやす京都ACを経て今季、みちのく仙台FCに加入。15試合に出場しながら、福島の地域連携担当スタッフとして働いていた。また「田中雄大」という名前はJリーグでは4人目(1人は引退)の登録。話題豊富な25歳は「チームや地域のためにピッチ内外で常に全力で泥くさく活動してまいります」と決意を新たにした。 ▽主な国立大出身Jリーガー 東大初の久木田紳吾は11年J2岡山入り。15年には添田隆司(J3藤枝)が2人目のJリーガーとなった。他には西野努が神戸大から93年浦和へ、来季J2の札幌監督に就任した岩政大樹は東京学芸大から04年鹿島に加入した。多数の選手を輩出している筑波大からは日本代表の谷口彰悟(14年川崎F)、三笘薫(20年川崎F)ら。広山望は96年市原入りと同時に千葉大に進学が決まり、初の現役国立大Jリーガーとなった。なお、GKでは筑波大から20年新潟に加入した阿部航斗らがいる。