債券は下落か、米長期金利が大幅上昇-円安進行で日銀政策修正観測
(ブルームバーグ): 29日の債券相場は下落が予想されている。米国の長期金利が5年と2年債の入札低調や強い米消費者信頼感指数を受けて大幅に上昇した流れを引き継ぐ。外国為替市場で1ドル=157円台へ円安が進行しており、日本銀行による早期の政策修正への警戒感も重しになりそうだ。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、米長期金利が4.5%を超えて先物夜間取引は下げているとして、「朝方は売り先行で始まりそうだ。円安進行で日銀に政策修正のプレッシャーがかかるとみられることも重しになりそうだ」と述べた。
同氏の新発10年物国債利回りの予想レンジは1.035~1.05%(28日は1.035%で終了)、先物中心限月6月物は143円20銭~143円45銭(同143円50銭)。
米消費者信頼感、4カ月ぶりに上昇-インフレへの懸念は強まる
先物夜間取引で6月物は28日の日中取引終値比17銭安の143円33銭で終えた。
日銀の安達誠司審議委員は29日午前に熊本県金融経済懇談会で講演し、午後に記者会見する。早期の追加利上げや国債買い入れオペの減額に前向きな姿勢を示すかどうかが注目される。
三井住友トラストAMの稲留氏は、今週の債券相場の地合いは売り材料に反応しやすくなっており、「タカ派的な発言に反応して売られる可能性がある」との見方を示した。
関連記事
(c)2024 Bloomberg L.P.
Hidenori Yamanaka