校内で見つけたスズメの巣 取ろうと伸ばした手をすり抜けて落ちたひな 校門近くで児童を見守る「小鳥の墓」は命の尊さ忘れぬ誓い 愛鳥活動の伝統つなぐ財部南小で4年ぶり巣箱作り
愛鳥活動に長く取り組んできた鹿児島県曽於市財部の財部南小学校で14日、4年ぶりに巣箱作りがあった。児童は、先生たちに手伝ってもらいながら立派な巣を完成させた。 【写真】校門の近くに立つ「小鳥の墓」=曽於市財部の財部南小学校
全児童14人のうち12人が参加。巣箱は高さ約20センチ。子どもたちは板木を1枚ずつ箱形に組み立て、金づちでくぎを打ち込んだ。打ち方の加減次第では、くぎが途中で曲がる場合もあり、そのたびにやり直した。5年三島幸太さんは「校内の掃除をしているときにヤマガラが来ているのを見かけた。新しい巣箱で巣作りをしてほしい」と話した。 同校の愛鳥活動は1950(昭和25)年、児童が校内のスズメの巣を取ろうとして落とし、ひなを死なせた出来事がきっかけ。当時の校長が校門近くに「小鳥の墓」を立て、命の大切さを学ぶ教育に役立てようと思い立った。児童は交代で墓や水飲み場などを掃除。巣箱をかけて野鳥観察を続けてきたほか、スケッチや愛鳥ポスターの作成などに取り組んできた。
南日本新聞 | 鹿児島