『光る君へ』清少納言に筆をとらせた定子の魅力、『小右記』につづられた兄・伊周との「意外な逸話」とは?
■ 越前に向かった紫式部の今後、藤原宣孝との恋仲は? もう一つの注目ポイントは、まひろと佐々木蔵之介演じる藤原宣孝(のぶたか)の関係である。宣孝はまひろの父・為時(ためとき)の親戚で元同僚。ドラマではとてもまひろと結婚するような関係には見えなかったが、前回と今回の放送で、ずいぶんと距離が縮まってきた。 とはいえ、恋仲にまで発展することはなく、まひろは父と共に越前へと向かってしまった。史実において、紫式部は越前の地で、宣孝と何度も文のやりとりをしている。ドラマでも、二人は手紙のやりとりによって、仲を深めていくことになるのだろう。 果たして、どんな応酬がみられるのか。宋の商人たちと対峙する為時の奮闘ぶりと合わせて、次回以降の放送で見守ることにしよう。 【参考文献】 『新潮日本古典集成〈新装版〉紫式部日記 紫式部集』(山本利達校注、新潮社) 『現代語訳 小右記』(倉本一宏編、吉川弘文館) 『紫式部』(今井源衛著、吉川弘文館) 『紫式部と藤原道長』(倉本一宏著、講談社現代新書) 『敗者たちの平安王朝』(倉本一宏著、KADOKAWA) 『藤原伊周・隆家』(倉本一宏著、ミネルヴァ書房) 『偉人名言迷言事典』(真山知幸著、笠間書院)
真山 知幸