裁判長「拷問とも言うべき犯行」 「ルフィ」事件で無期懲役
「ルフィ」を名乗る指示役らによる広域強盗のうち、東京都狛江市で高齢女性が死亡した事件の実行役などで6事件に関与したとして強盗致死罪などに問われた住所不定、無職、永田陸人被告(23)の裁判員裁判で、東京地裁立川支部は7日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。 菅原暁裁判長は「自ら他の実行役に指示するなどの役割を担うようになった」とし、「実行役のリーダー格を務めた」と指摘した。 判決によると、永田被告は他の実行役らと共謀し、2023年1月19日午前11時半ごろ、宅配業者を装って狛江市の女性(当時90歳)の自宅に侵入し、女性を結束バンドで拘束、バールで殴って死亡させ、腕時計を奪った。 また、広島市西区の店舗兼住宅で住人らに暴行し、現金約250万円や腕時計を奪うなど、22年11月~23年1月に4都県であった五つの事件にも実行役などとして関与した。 永田被告は公判で、起訴内容を認め、「指示役、『闇バイト』の胴元になりたいと思っていた」と説明。弁護側は永田被告が捜査に協力していた点などから有期の懲役刑を求めていた。 判決は、狛江市の事件で、永田被告らが被害者をバールで多数回殴ったうえ、現金の保管場所を聞き出すために「家族を殺す」「家を燃やす」と言って、更に暴行を加えたと指摘。「犯行は拷問とも言うべきで、執拗(しつよう)で極めて残忍だ」と非難した。 菅原裁判長は、量刑理由を「被害の深刻さを理解しようと努め反省の弁も述べているが、有期懲役刑を選択すべきほどのものとは言えない」と述べた。 一連の事件では、渡辺優樹被告(40)ら指示役とされる4人が強盗致死罪などで起訴されている。【菅健吾】