コツコツ貯めたタンス預金が「500万円」あります。これを頭金に住宅購入したら、親からの贈与を疑われますか? 税務署から「お尋ね」など来るのでしょうか…?
毎月お給料の中からコツコツ貯めたタンス預金。いざ住宅購入の頭金に充てたときに、贈与を疑われて贈与税を徴収されたら本当につらいですよね。 本記事では、コツコツ貯めたタンス預金を住宅購入の頭金に充てた場合、贈与を疑われる可能性と税務署への対応について解説します。また、タンス預金で住宅購入したときに、贈与を疑われる具体的なケースについても紹介します。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
住宅購入にタンス預金を充てても大丈夫
コツコツ貯めたタンス預金は、お金の出どころがきちんと説明できれば、住宅購入の頭金に充てても贈与税を課されることはありません。 住宅購入時の頭金支払いのほとんどは、住宅メーカーや不動産会社から銀行振込を依頼され、現金手渡しで支払うことは少ないでしょう。この場合、いったんタンス預金を自身の口座に入金することになりますが、「まとまった入金だから」という理由だけで税務調査や、課税をされることはありません。 ただし、住宅購入のお金の出どころについて、タンス預金であるか否かにかかわらず税務署から「お尋ね」が届く場合があります。
税務署からのお尋ねの内容は?
タンス預金のお金の出どころを証明できる資料がなくても、贈与税を課税される心配はありません。しかし、住宅購入時の支払いは高額となるため、タンス預金かどうかにかかわらず「新築、買入または賃借された家屋等についてのお尋ね」または「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」の文書が届くことがあります。時期は住宅購入の半年~1年後のことが多いようです。 住宅購入をして、不動産登記がおこなわれると法務局から税務署に通知が行きます。税務署は誰がどのような不動産を取得したかを把握し、贈与がおこなわれていないかをチェックするのです。 お尋ねに回答の法的義務はありませんが、無視すると督促が届き、さらに無視し続けると税務調査となる可能性もあります。正しく回答し、返信しましょう。税務署からの「お尋ね」の内容は次の5つです。 1)職業・年齢・年間所得 2)買入先 3)買入時期・買入価額 4)関連費用 5)支払代金の調達方法 購入した不動産が購入者の年間所得と比較して高額すぎる場合などは「購入資金が本人の財産なのか」「贈与資金が含まれていないか」「脱税の可能性はないか」など「お尋ね」で調査される可能性があります。 しかし、脱税もなく、自分でコツコツ貯めたタンス預金である場合には、たとえ現在は専業主婦(夫)で収入がない場合でも、「以前働いていたときに、毎月3万円とボーナスに手をつけずに貯めたもの」など説明ができれば大丈夫です。一方で、贈与を疑われてしまうケースを次に紹介します。