「B'z」に救われるも「紅白」歴代視聴率ワースト2位に終わったワケ 番組が抱える“矛盾”が見え隠れ
■機材トラブルでも逆に歌唱力を知らしめた「B'z」 本番では、『LOVE PHANTOM』のパフォーマンス中に機材トラブルの影響でボーカルの稲葉の声が小さくなる場面もあったが、圧巻の美声と声量で見事に乗り越え、かえってその歌唱力の高さを知らしめることとなった。 「B'z」のほか、特別企画枠では“復活”を果たした氷川きよしや玉置浩二も出演した。また、THE ALFEE、南こうせつ、イルカ、高橋真梨子らベテラン勢の活躍などもあり、今年の「紅白」は視聴者からおおむね好評を博している。 だが、番組視聴率に関しては平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は第1部が前年と同じ29.0%、第2部が前年から0.8ポイントアップの32.7%という結果に。1部は2年連続での30%割れ、2部は歴代ワースト記録更新こそ避けられたものの、過去2番目の低さとなった。この数字について放送作家はこう語る。 「今のご時世に平均視聴率30%以上を記録するだけでも上出来との声もありますが、『紅白』は日本を代表する年末の大型テレビ番組です。そして何よりも毎年莫大(ばくだい)な番組制作費が投じられており、その原資は国民の受信料です。他の民放の番組と同じ感覚で“数字”を評価すべきものでもなく、当然、期待値も高くあって然るべきでしょう。とくに近年は『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の年末特番や格闘技の大みそか興行の中継番組など強力な裏番組の存在もありませんから、紅白にとっては有利な状況です」 実際、今年の「紅白」の裏番組ではテレビ朝日系の「ザワつく!大晦日2024一茂良純ちさ子の会」が平均世帯視聴率が12.7%で民放トップとなったが、過去には14年放送の日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」の年越しスペシャル「絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時!」が19.8%を記録しており、ライバル番組の弱体化は明らかだ。