ヤンググランプリを制した纐纈洸翔

　ヤンググランプリ２０２４が２８日、静岡競輪場で行われ、前団がもつれるなか、最終４角で中団外からインに切り込んだ纐纈洸翔（２２）＝愛知・１２１期＝が抜け出して優勝。優勝賞金６８０万円（副賞含む）を獲得した。 　纐纈がここぞの勝負度胸で、五輪代表２人をまとめて倒した。最終３コーナーから太田海と中野慎が、壮絶なもがき合い。前を任せた村田祐が外を行き切れないとみるや、一か八か内へ切り込んだ。「太田さんの後ろまでは行けそうだったが、空くかは半信半疑でした」。鋭く伸びてＶを確信すると、ヘルメットを観客に向かって投げ、喜びを爆発させた。 　養成所１２１回生の卒業記念覇者。デビュー後も順調に成績を伸ばし、今年８月の平塚「オールスター」でＧＩ初出場を果たしたが、〈８〉〈７〉〈７〉着。「夏から調子を崩したが、最後に優勝で締められていい年になった。先輩の近藤龍徳さん（１４年大会覇者）に『自信を持って、気持ちだけは負けるな』と伝えられていたので、根拠のない自信を持って戦えた」とホッとした表情を見せた。 　来年からは初の１班昇格、５月には地元で「日本選手権」も控える。「Ｇ１で力勝負できるような選手になりたい」と目を輝かせた。名前の総画数６３画は、姓名判断では「最強運」とも。運だけでなく、力も備えて中部の大砲へステップアップする。（村山　茂生） 　◆纐纈　洸翔（こうけつ・ひろと）２００２年７月８日、岐阜県羽島市生まれ。２２歳。愛知産大工高卒業。第１２１期生として日本競輪選手養成所に入所。２２年５月デビュー。ホームバンクは名古屋。２２７走１１６勝。通算獲得賞金は５９２２万３２００円。１７３センチ、７９キロ。血液型Ｂ。