【京都で食べたい洋食】地元民に愛される知る人ぞ知る名店へ
京都ならではの絶品満腹口福アドレスから、老いも若きも、旅行者も、地元人も、みんな大好きな洋食を紹介。今回は正統派洋食店「グリル生研会館」へ。 【写真】グリル生研会館で絶対食べたいハンバーグ
下鴨「グリル生研会館」
洋食店のハンバーグが大好きなのに、幼い頃から親に連れられ通っていたお気に入りの店がことごとく閉店し、自分のなかのスタンダードハンバーグを失っていた頃(と言っても今から20年前)に出会ったのが「グリル生研会館」のハンバーグだ。色が濃いめのデミグラスソースがたっぷりかけられ、仕上げにはとろ~り半熟の目玉焼きがのった食欲をそそるビジュアル!デミグラスソースは、牛スネ肉やバラ肉、香味野菜を炒めてじっくり煮ること1週間。マデラ酒とポルト酒で深みと甘みも加わり、これぞデミグラスソースのお手本というべき味わいだ。ハンバーグ自体も牛8、豚2の合い挽き肉で、牛肉100%よりふんわりと。それでいて、肉感もしっかり味わえる。
初代は満州のヤマトホテルで支配人を務め、帰国後、昭和33年に「生研会館」を創業。 「生研会館」という洋食店っぽくない店名も気になるところだが、“生研”は店のある生産開発研究所の略称。昭和33年、生産開発研究所が誕生した際は、全国の研究者や外国人が訪れることが多く、3階に宿泊施設も備え、「グリル生研会館」はホテルのレストラン的位置づけに。当時は、フランス料理色が強めで、上階の宴会場ではパーティ料理も提供していたそう。 「以前よりメニュー数は少なくなりましたが、材料や作り方は全然変わってないです」と、家業に入って30年の3代目・西崎裕紀さん。マヨネーズやタルタルソース、フレンチドレッシング、パン粉まで今なお自家製で、付け合わせのサラダまでおいしい。
ハンバーグのほか、海老フライ2本、カニクリームコロッケがついたスペシャルランチも人気が高く、カニクリームコロッケは箸を入れるとサクッとした衣の中からベシャメルソースがとろりと現れ、やけどしそうなほど熱々。隠し味にカニミソが使われていて、カニの風味も濃厚だ。