日ハムの「オープナー」は無謀な挑戦なのか?
日本ハムが6日、東京ドームで行われた西武戦で先発に中継ぎ投手の加藤貴之を使う「オープナー」を試したが、3回からマウンドに立った第2先発の金子弌大が森友哉に浴びた3ランを含む5失点と炎上。3-16と大敗を喫した。栗山英樹監督が「オープナー」を使うのは、これが今季3試合目。まだ勝ち星につながっていないが、メジャーでトレンドとなっている「オープナー」を日本野球に定着させるには無理があるのだろうか。それは無謀な挑戦なのか。 日ハムが「オープナー」を最初に採用したのは、2日の楽天戦。先発に加藤を送り、3イニングを無失点に抑えると、4回からは新外国人のバーベイトにスイッチ。バーベイトも3回を1失点でゲームを作ったが、打線がふるわず1-3で試合には負けた。続いて行ったのが4日の楽天戦。 斎藤佑樹を「オープナー」として先発に立てたが、立ち上がりに3失点、2回二死から四球を出したところで2番手の上原健太にスイッチした。その上原も同じく3失点。結局、この試合は11得点を奪われ同一カード3連敗を喫している。 そして、この日、再び中3日で加藤を「オープナー」に使い、加藤は走者を背負いながらも2イニングを無失点に抑えたが、3回に下位打線の8番・中村剛也を迎えたところからマウンドに立った金子が制球に苦しんだ。一死一塁から金子侑司、源田壮亮に連続四球を与え満塁にされると秋山翔吾にライトフェンス直撃の2点タイムリーツーベースを打たれ、続く山川穂高は見逃しの三振にきったが、好調の森に3ランを浴びて5失点。オープナー効果を出せないまま、もう1イニングだけを投げてベンチに下がった。 「オープナー」とは昨年メジャーで本格採用されトレンドとなった新戦術である。始まりはレイズの“頭脳派”で知られるケビン・キャッシュ監督が5月19日のエンゼルス戦でクローザーのセルジオ・ロモを先発させ1イニングで替える奇策を打った試合だった。レイズが採用した理由は先発不足。メジャーでは5人の先発投手を中4日で回すが、レイズは故障者が出て頭数が足りなくなり、4人の先発プラス中継ぎの継投でやりくりする「ブルペンデー」と言われる小刻み継投を採用した。その「ブルペンデー」の発展形が「オープナー」で続いて6月にはドジャースも先発陣が故障によって足りなくなり緊急策として「オープナー」を採用。9月にはツインズ、アスレチックス、レンジャーズらも追随してメジャーに一種の革命を起こす。「オープナー」には立ち上がりの悪い先発の救済、メジャーは、2番に最強打者を置くため、1、2、3番と続く強力な初回をクローザーの全力投球で乗り切り、第2先発にバトンを渡すという狙いがあり、トータルで防御率が下がるという効果も見られている。結局、レイズは、50試合以上に「オープナー」を使い、アスレチックス、ブリュワーズは大事なポストシーズンに、その戦術を使った。