疲れを見せる山陽を洛北が突き放す
第7回高校サッカードットコム杯in宮崎supported by アミノバイタルチャレンジリーグ5位決定戦は28日、新富町フットボールセンター西で行われた。大会4日目、どのチームも疲れが見え、最後の気力を振り絞っての戦いとなったが、5位決定戦では洛北が、おかやま山陽を3-1で降す結果となった。 【フォトギャラリー】洛北vsおかやま山陽 山陽は愛媛で開催されたフェスティバルに続き、7泊8日に及ぶ遠征の最後の試合。体力的にはやや余力の残る洛北が、開始早々からペースをつかむ。13分に洛北はCKのチャンスを得るが、山陽GK今井颯真がキャッチしてゴールを防ぐ。しか4分後、洛北FWの春田秀馬がゴールを奪い、先制に成功する。その後は、山陽の加藤毅監督が「ハマって、メンタルをやられてまたハマるという悪循環」と振り返ったように、自陣に押し込められることが多く、攻撃の糸口をなかなか見つけ出せずにいる。一方の京都も、追加点のチャンスを作りながらも、ゴールには繋がらないシーンが続く。前半は京都が1点リードのまま、ハーフタイムを迎えた。 後半がスタートするも、洛北優勢のまま推移。5分には山陽が久しぶりのチャンスをつかみシュートを放つが、GK東大翔にキャッチされる。そこからのカウンターで今度は洛北がシュート。しかしこれも、今井がキャッチして追加点は許さない。 この辺りから、ピッチ上に小雨が降り始める。11分、洛北の西村拓真がシュートを放つがGKに跳ね返される。しかし13分、洛北のMF谷絋太郎が2点目となる追加点を決めた。なんとか一矢報いたい山陽は18分に反撃に成功。洛北の前田尚克監督が「2点取って、もう大丈夫だろうという甘さがモロに出た」と悔やんだように、山陽の幸田駿がゴールネットを揺らす。 ここから再び攻勢に出た洛北。21分に後藤秀太がゴールを決め、突き放しにかかる。山陽は防戦一方の状況に陥った。なんとか前線にボールを運ぼうとするが、途中で奪われてしまい、今井から「最後までやり切れ!」の檄が飛ぶ。しかし、試合はそのまま終了。洛北がチャレンジリーグ5位で、大会を終えた。 試合に勝利した洛北の前田監督は「今年は選手の力もまだまだあかんのと、ケガ人が多くメンバーが組めないのがあった。今度入ってくる1年生に力のある子もたくさんいる。ダメなチームほど伸び率があるので、見違えるようなチームになって、最後の高校選手権で締めくくられたらいい」と選手権を見据えた強化に目標を定めていた。 疲労を抱えた中、敗戦となった山陽の加藤監督は、「いろんなタイプのチームと戦うことで、いいシミュレーションにはなった。選手たちは自主的に話し合う集団。2年前、劇的に伸びたのを体感したのと同じような感覚があるので、この夏から冬にかけて長期でしっかりとチームを見て、変わるのを待とうと思う」と期待を込めて、大会を振り返った。 (文・写真=高浜確也)