よぎる「城島問題」の悪夢 甲斐流出で浮上した「穴埋め課題」 問われる4軍まで保有する鷹の真価
甲斐の「穴」を埋めるのは誰か――
球団史を振り返っても甲斐流出の影響は計り知れない。巨人からの人的補償での補填や大型トレードなどで戦力アップを図る可能性はあるが、正捕手クラスの選手が獲れる見込みはない。やはり4軍まである育成力を利した長期を見込んだ底上げが必要となるだろう。 候補はいる。33歳のベテランとなる嶺井はもちろん、今季に38試合でスタメンマスクを担った大卒5年目の海野隆司、さらに内外野もこなせるマルチな守備スキルを見せる谷川原健太が筆頭と考えられる。 1軍経験も豊富な捕手たちの一方で、育成2年目捕手の盛島稜大も興味深い存在だ。 沖縄の名門・興南高出身の20歳は、それこそ城島氏が今春に187センチ、104キロのスケールの大きさや素質を高く評価したことも話題を集めた逸材だ。守備面で荒削りな面は否めないが、強肩強打の大型捕手として出場機会を与えてもおもしろいか。 いずれにしても、チームの精神的支柱でもあった甲斐の後釜探しは容易ではない。かつてチームの積年の課題と化した“城島問題”を知るソフトバンクが、どのような施策を講じるのか。いまこそ「育成の鷹」の真価が問われる時なのかもしれない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]