新紙幣発行「2000円札」は“刷新ナシ”で取り残されるも…沖縄県で流通量“激増”の意外な背景とは?
「2000円札ボタン」が流通量の増加に“貢献”?
2000円札普及の背景には、沖縄県内のATMも関係しているようだ。 沖縄県内に57か所の本支店を構える琉球銀行では、2007年12月25日からATMに「二千円札優先ボタン」を導入している。 「当時を知る者がおらず、推測となりますが、2000円札の利用促進と、窓口における両替業務の負担軽減を目的に導入したのではないでしょうか」(琉球銀行・担当者) また、沖縄県銀行協会の担当者も「他行でも導入しているところがあり、2000円札ボタンの存在は大きいのではないか」としつつ、次のように付け加えた。 「ほかにも、現在は仕様が変わってしまったようなのですが、以前は沖縄県内のコンビニATMを利用すると、2000円札が出やすいようになっていました。よって、必然的に流通量が増えていったのかなと思います」(沖縄県銀行協会・担当者) また、同協会では過去に、県内で流通する2000円札の増加分に応じて、火災により損傷した首里城復旧のため寄付をするというキャンペーンも実施していたという。(現在は終了)
発行から24年、2000円札だけ刷新なしも地元では「良かった」
最後に、新紙幣発行で2000円札だけが「取り残される」形になったことについて、沖縄ではどのように捉えられているのか聞いた。 那覇市議会の担当者は「現時点では特に議会として意見は挙がっていません」とコメント。 一方、沖縄県銀行協会の担当者は、一県民として次のように心境を語った。 「発行から24年がたちましたが、ほかの紙幣のようにデザインが刷新されてしまうよりも、沖縄県民としては、(首里城)守礼門が描かれた2000円札が残ってくれたので良かったと思います」 今なお“地元”で愛され続けている2000円札。夏休みの旅行で沖縄に行く人は、思い出・お土産として、2000円札へ両替してみても良いかもしれない。
弁護士JP編集部