緑茶市場の停滞、“ゴクゴク飲める”に振り切りすぎた? お茶の価値を再定義する試金石となるか…『新・伊右衛門』の覚悟
■今後の緑茶市場は二極化していく? 「伊右衛門はその片方を担っていける存在」
今回のリニューアルに伴い、テレビCMでは堺雅人、古川琴音、webCMでは小島よしおをキャラクターとして起用。これまでの純和風のCMから、ガラリと作風が変わっている。 「これまでは作り手側のストーリーを描いていましたが、今回は作り手側から飲み手側に視点を変えたことが一番のポイントです。CMの中で堺さんに『お茶なんてどれも同じでしょ』と言っていただいていますが、あれが飲み手であるお客様の気持ちだろうと。それを堺さんに代弁していただきました。『私もそうなんだよ』という飲み手側の共感はとても大事だと思うので。小島さんのwebCMでは、辛いニュースが流れてくるタイムラインの中に『おっちゃっぴー』が一つ入ってきます。あれは、日々辛いことがあるけど『お茶を飲んで一息つきましょう。お茶でピースになりましょう』と言いたかった。それがお茶の役割ではないかと。もちろん、たくさんの人に飲んでもらいたいというメッセージも含んでいます」 今年20周年のメモリアルイヤーを迎える『伊右衛門』。「伊右衛門のコンセプトは『最も美味しそうに見えて、事実最も美味しい緑茶をつくる』でしたが、今回その原点にもう一度戻ったと思います」という三宅さん。今回の『伊右衛門』リニューアルを経て、今後の緑茶市場はどのように活発化していくのか? 「他社さんも含めて、きっと色々なことを考えていると思っています。僕が思うに、緑茶市場全体としては二極化して、”ごくごく飲める、すっきりしたタイプ”と、”お茶の味をしっかり感じられるタイプ”の2グループが今後大きくトレンドをつかんでいく気がします。『伊右衛門』はその片方を担っていけると思いますし、僕たちはその期待を込めてじっくり飲む緑茶の再構築を図りました。今後どう変革していくか楽しみです。今グローバル時代で多くの人たちが海外に出て行きますが、帰ってきた時に『やっぱり日本の緑茶は美味しい』と思ってもらいたいし、インバウンドで日本に来られた外国人の方たちにも緑茶を美味しく飲んでいただきたい。多くの皆様に『緑茶って美味しい』と思ってもらいたいし、それを伝えられる『伊右衛門』でありたいです」