ホンダ1兆円の自社株買い 2025年も自社株買いは増加か【WBS】
日産との経営統合に向けて協議を始めたと発表したホンダの株価が、昨年12月24日の株式市場で急上昇し、前日比12%超に上昇して取引を終えました。ホンダが前日23日の会見で、1兆1000億円、発行済み株式総数の最大23.7%を市場で買い付けると発表したためです。マーケットでは巨額の自社株買いを好感したと受け止められていますが、その背景には何があるのでしょうか。 <動画>日産・ホンダ 経営統合へ協議入り 三菱自も合流視野に 共同会見【ノーカット】 日産との経営統合に向けて協議を進めると発表した会見で、ホンダの三部敏宏社長は1兆1000億円を上限に、発行済み株式総数の最大23.7%を市場で買い付けると発表しました。 「われわれとしては最大限の還元を今回しようということで判断。まずは今できる最大の自己株式取得をしていこうと」(ホンダの三部社長) 会見から一夜明けた24日の株式市場で、ホンダ株は寄り付きから急上昇。前日に比べ12%以上上昇して取引を終えました。 巨額の自社株買いを市場は好感したと受け止められていますが、東海東京インテリジェンス・ラボの杉浦誠司シニアアナリストは「期待していた半分ぐらいで上昇がとどまった。今回の日産とホンダの経営統合について、マーケットの“半身の構え”が現れた。そういう株価の反応」と話します。 ホンダの株価は日産との統合協議が初めて報道された直後に大きく下落。杉浦氏は大規模な自社株買いにはこれから始まる統合に向けた協議を株価に左右されたくないという経営陣の思惑もあると指摘します。 「まず株価について安心・安定させたいという気持ちが強かったんだろうと思う。ホンダがこの経営統合にかける意気、集中したいという思いが感じられる」(杉浦氏)
ホンダと同様、自社株買いを行う企業が増えています。一体なぜなんでしょうか? 大和証券の阿部健児チーフストラテジストによれば「東証から企業に株価を意識した経営を実現するように要請が出ていて、経営陣も株価を意識していることをアピールするため、積極的に自社株買いを増やしている」といい「この流れは2025年も続く」と指摘しています。 では、ホンダ以外に最近、自社株買いを発表した企業の株価はその後どうなったんでしょうか? 例えば、昨年10月末に自社株買いを発表した東京ガスは順調に株価を上げていきました。一方、KDDIは発表後、株価は上げたもののその後は横ばいで推移しているように見えます。 大和証券の阿部さんは「自社株買いは一時的に株価上昇に繋がる場合が多いが、会社の業績はもちろん、予想できない外部環境の変化も影響するので、一様に上がっていくとは限らない」と注意を促しています。 ※ワールドビジネスサテライト