常に場の注目を集めないと気が済まない、迷惑な弟のカノジョ。そんな女性に実家を乗っ取られそうになったら!?
実家に弟の彼女が入り浸り、まるで実の娘のように母親に甘えていたら、あなたはどう感じますか…? 【マンガ】ぱん田ぱん太さんの『ちっちゃくてかわいいワタシ 痛すぎる勘違い女の正体』を最初から読む 異常なほどに人のものを欲しがり、自分だけトクをすることに執着する女性のエピソードを描いてSNSで話題になった『欲しがるあの子を止められない』。その作者・ぱん田ぱん太(@pandapantade)さんの最新作が、『ちっちゃくてかわいいワタシ 痛すぎる勘違い女の正体』です。 この作品は、前作でも異常なほどの「クレクレちゃん」の友人に振り回されたきよかさんが、またしてもトラブルメーカーな女性に出会います。実家に入り浸る弟の彼女に「この家の娘のポジションを奪われる」と感じたきよかさんのエピソードをご紹介しましょう。 ■『ちっちゃくてかわいいワタシ 痛すぎる勘違い女の正体』あらすじ きよかさんがある日実家に帰ると、弟の彼女だという「みゆちゃん」が遊びに来ていました。弟と同じ大学のサークルに所属していて、まだ付き合いはじめて2週間とのことでしたが、母親にはタメ口で親しげに話しかけ、夕食もたびたび実家で食べているようでした。その馴れ馴れしさにきよかさんはモヤモヤ…。 夕食後、テレビを見ながらくつろごうとすると、みゆちゃんはなんときよかさんの夫のヒザの上に座りました。きよかさんの弟も焦って椅子に座るように言いましたが、「ここがいい」とダダをこねるみゆちゃんに、きよかさんもゴリ男くんもドン引き。弟は彼女が他の男性に甘えることについて、「あいつは誰にでも同じことをする、変な意味はない」と、その行動を許容しているようでした…。 その後も、みゆちゃんはきよかさんの夫に「抱っこ~」と甘えて抱っこをせがんだり、きよかさんの夫の上着を勝手に着て「見て~ぶかぶかじゃ~」とはしゃいだり、きよかさんは怒りで爆発寸前。 さらに、きよかさんの母親が弟の弁当のついでにみゆちゃんの弁当も作っていたと聞いて、きよかさんは驚きます。みゆちゃんはきよかさんの家族とのグループラインを作ったり、きよかさんが実家に置いていた服を勝手に着たり、きよかさん一家の外食についてきたりとやりたい放題。 ついにはきよかさんの夫の実家のバーベキューにまで行きたいと言い出して、床を転げ回ってジタバタしながら「行きたい行きたい行きた~い!!」とダダをこね始め、きよかさんはさすがに呆れたり怒ったりするのを通り越して怖くなってくるのでした…。 このエピソードはぱん田ぱん太さんのブログで紹介されたものですが、その後、大幅に加筆されて電子書籍で公開されました。 この作品について作者のぱん田ぱん太さんにお話をうかがいました! ■作者・ぱん田ぱん太さんインタビュー ──ブログに掲載されている内容に比べ、WEB連載版、電子書籍版では大幅に加筆修正されています。加筆修正する際にこだわったポイントはありますか? ぱん田ぱん太さん:「ブログでの毎日連載」では読者さんに毎話興味を持ってもらうためにテンポ良く描くように心がけているため、描き切れなかった・描きそびれたシーンがたくさんあり、それらを余すところなく描きたいと思いました。またコメント欄などを改めて読み返し、読者さんがもっと詳しく知りたかった部分をリサーチしてから加筆部分を考えました。 ──電子書籍版のラストではブログ版にはない「真・エピローグ」が追加されています。このエピソードを追加しようと思った理由を教えてください。 ぱん田ぱん太さん:まず単純にブログ版のラストがシンプル過ぎたことです! その後の消息が分からなくなった後のみゆちゃんがどうしているのか、語られたのが本当にほんの数コマだけで、しかも本人の口からではなく他のキャラクターからだったのですよね。そのため「他人からはそう見える」みゆちゃんの様子しか分かりませんでした。だから、ぜひみゆちゃん視点でみゆちゃんの心情を描きたかったです。 ──意外な結末に驚きました。ところで、ぱん田さんが漫画を描き始めたのはいつからですか? ぱん田ぱん太さん:ブログで自分の海外生活をエッセイ漫画にして発信し始めたのは2017年の2月ですが、実は本当に初めて漫画を描いたのはそれよりも少し前でした。ブロガーとして生計を立てられるようになる前はベビーシッターのお仕事をしていたのですが、シッター先の子供の可愛い言動が印象深かったため、ぜひ思い出として残したいと思い、四コマ漫画にしてご両親にプレゼントしたのです。それが本当に最初のきっかけです。その頃は、まさかこうして書籍を出版させていただくまでになるとは想像も出来ませんでした! ──今後挑戦したいジャンルやテーマはありますか? ぱん田ぱん太さん:これまでの物語でもそうだったのですが、後に意味が分かる伏線を張ったり、どんでん返しと言いますか、読者さんが「そう来たか!想像できなかった」と言ってくださるような意外な展開を考えるのがとても好きです。そのため、今までのように多くの方の共感を呼ぶような身近なテーマ、キャッチーなテーマなどを基本にしつつも、ミステリや謎解きを含めたジャンルに挑戦したいです! * * * 最初は「トラブルメーカーに遭遇した体験談か…」と思いながら軽い気持ちで読み始めると、登場人物の意外な過去に思わず身につまされたり、「こんな人、いたなぁ…」と自分の周囲の人を思い出したり。ぱん田ぱん太さんの作品は、読み進めるうちに冒頭の印象を裏切る奥深いテーマが描かれていて、思わず時間を忘れて読みふけってしまいます。この作品に登場する人物たちも、あなたの周囲にいる誰かに似ているかもしれません。 取材=レタスユウ/文=レタスユキ