職場にいる「電話対応に追われる人」は出世できない。その悲しすぎる理由
どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。職場で「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から賛否両論を巻き起こし、「こんな本が30年前に欲しかった」「人間の深層心理を突いている」「上司サイドにも対策が必要」などと話題沸騰中である。今回はその中から「出世しない人の特徴」についてお伝えする。 ● 「電話を取る」人はコスパが悪い みなさんは職場で「電話を取る」という業務をしていますか。昔であればほぼすべての職場で行われていた業務ですが、最近はテレワークの浸透などで減ってきているかもしれません。 僕の勤めているメガバンクでは、新人の頃、年の近い先輩からは、お客さんからの外線がかかってきたら、どんなに忙しくても若手がワンコール以内に電話を取るように指示されていました。ある意味、「最初の雑用」のような立ち位置です。 この会社にとって必要な業務である「電話対応」ですが、実は、あまりに積極的にやりすぎると、自分の仕事のコスパが著しく下がってしまいます。 「雑用は上司の隣でやりなさい」と言っているのにどうして?と感じる方もいるかもしれませんが、実はこれには奥深い理由があるのです。今回は、その理由について説明していきましょう。
● 自分の評価につながらない仕事は「やらない」がベスト 実は、僕が若手の頃に極力回避した業務こそ、この「電話をワンコール以内に取る」です。 僕はそれを「あまりにコスパが悪い」と感じたので、忙しい時は電話は取らないようにしました。そのせいで同期からの顰蹙を買うことになってしまったのは事実です。 しかし、僕の会社での評価項目は、「どれほど電話対応をしたか」ではありません。あくまで「仕事のパフォーマンス」です。結果として、この仕事の項目では同期を上回ることができ、結果的に高評価になりました。同期からの僕の評判は最悪でしたが、同期は特に僕の評価に影響を及ぼすようなパワーを持っていなかったので、会社組織上その評価は残っていません。 ● 「少し面倒くさい後輩」を目指すべき理由 なお、ここでは本来「同僚とぶつかって自分の評判を悪くしてしまうリスク」も天秤にかける必要があったのですが、当時はそこまで考えていませんでした。他の面で同期を助けて貸しを作っておくことで、もっとうまく同期との争いを回避することもできたかもしれません。その代わりに、電話を取ってくれる内務担当の方には感謝を伝えたり、お菓子を渡したりしていました。 しかし、自分の評価に繋がらないようなしょうもない仕事は同僚にどんどん寄せていくべきです。もちろん、自分から直接同僚にパスをすると若手時代の僕みたいに同僚との関係を悪化させて自分の評判を下げてしまうリスクもあるので要注意です。自分を「少し面倒くさい後輩」としてブランディングして、直接的ではない形でこのような環境を構築していくことがポイントになります。 (本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部に、加筆・編集を加えた原稿です)
たこす