自民総裁選 決選投票 石破氏と明言3人 茨城県関係国会議員 地方創生に期待
自民党総裁選で、同党の茨城県関係国会議員は1回目、投票先が7候補に分散した。決選では3人が石破茂氏に投じた。新総裁に選出された石破氏に対し、地方創生や災害対策の強化に期待する声が上がった。 茨城新聞の取材で、投票権のある茨城県関係国会議員8人のうち、決選で石破氏に投票したのは3人だった。2人は高市早苗氏に投じ、3人は投票先を明かさなかった。額賀福志郎氏(衆院茨城2区)は議長のため議員票の投票権がない。 決選で石破氏に投票したのは、同氏の推薦人の田所嘉徳氏(衆院比例北関東)のほか、永岡桂子氏(衆院茨城7区)、上月良祐氏(参院茨城)。 旧石破グループの田所氏は「自民党の信頼を回復して責任政党として政策を前進させてほしい」と喜んだ。石破氏は初代地方創生担当相を務め、これまで茨城県に何度も訪れている。「地方の活力で日本を成長させてほしい」と地方政策に期待した。 1回目で河野太郎氏に投じた永岡氏は「(石破氏には)防災・減災や少子化対策、教員の働き方改革などに取り組んでほしい」と強調。1回目に小泉進次郎氏に投じた上月氏は、「地方創生と経済の掛け算で課題に対応してほしい」と期待を寄せた。 決選で高市氏に投じたのは、同氏の選挙責任者を務めた石川昭政氏(衆院比例北関東)と葉梨康弘氏(衆院茨城3区)。 石川氏は「党員票は最多だったが」と肩を落とし、石破氏には「党内を一つにまとめ、信頼回復に努めてほしい」と語った。葉梨氏は1回目は林芳正氏、決選は高市氏に投じた。同氏が党政調会長時、葉梨氏が政調会長代理だった縁もあり、「人間関係」を理由に同氏に投票した。 茂木敏充氏の選挙対策本部長兼推薦人となった梶山弘志氏(同4区)は1回目は茂木氏に投じ、決選の投票先は明かさなかった。決選では「厳しい政策課題を解決し、日本経済を再生してこの国をけん引できるのは誰か」との観点から1票を投じたという。同じく1回目に茂木氏に投じた加藤明良氏(参院茨城)は「(決選の投票先は)胸の内にとどめておきたい」と述べるにとどめた。 1回目で上川陽子氏に投じた国光文乃氏(同6区)は、決選の投票先は明らかにしなかった。 ■茨城県内投票も石破氏最多 自民党総裁選の茨城県内投票は27日午前、水戸市内で開票され、新総裁に選出された石破茂元幹事長が最多の9523票(得票率37.0%)を獲得した。投票結果を踏まえ、党県連は決選投票では、茨城県に与えられた1票を石破氏に投じた。投票率は60.28%。 決選投票で争った高市早苗経済安全保障担当相は5520票(21.5%)で、石破氏に次いで多かった。そのほか、小泉進次郎元環境相4076票(15.9%)、茂木敏充幹事長3231票(12.6%)などと続いた。 投票資格を持つ茨城県の党員数は、都道府県別で東京、神奈川、愛知に次ぎ全国4番目に多い4万2773人。これまでの投票率を見ると、前回2021年は65.29%、予備選となった20年の前々回は70.36%だった。
茨城新聞社