サーキット、風受け疾走 浜松でゴーカート体験 迫力のエンジン音やコーナリング
直線とカーブが連続するサーキットを疾走するゴーカート(スポーツカート)。気軽にレース気分が味わえると、モータースポーツファンを中心に根強い人気を誇る。遊園地などの低速のカートとは異なる、本格的な走行を体験できるISK浜名湖店(浜松市中央区佐浜町)で、カートを操る魅力に触れた。 取材時にサーキットで開かれていたのは、小中学生対象のスクール。受講生5人が練習用のカートに乗り、周回走行でラップタイムを競い合った。子ども向けのジュニアカートは最高速度を抑えるように調整されているが、受講生のコーナリング技術などは大人顔負け。エンジン音を響かせ、小さな車体で迫力ある走りを見せた。一度走り終えると、スタッフがコースの特徴に合わせた運転のポイントをアドバイスし、5人は真剣に聞き入った。 磐田市の小学6年、山里昂大さん(12)は1年ほど前からスクールに通う。「走ると体に風が吹き付ける感じ。爽快感があって楽しい。レースにも出て、将来はF4の選手になってみたい」と目を輝かせた。 同店のサーキットは1周約500メートル。大人向けのカートは最高時速60キロほどで走れる。乗用車よりスピードこそ出ないが、地面すれすれの座席で目線が低くなり、コーナーも次々と迫ってくるため、見た目以上にスリルを感じる。慣れてくると1周を30~40秒程度で回れるという。マシンの構造がシンプルな分、ドライバー自身の技術次第でタイムは大きく変わる。 ジュニアカートや大人向けのほか、2人乗りのカート、幼児でも乗れる電動式のキッズカートも用意する。車両ごとの身長、年齢の条件をクリアすれば運転免許証は必要ない。県西部だけでなく愛知県や関東地方から訪れて初めて挑戦する人も多い。定期的にレース大会などのイベントを実施している。 同店の古木励支店長(50)は「モータースポーツという非日常の体験ができるのがカートの一番の魅力だと思う。小さな子どもから幅広い年代が楽しめるので、多くの方に体験していただければうれしい」と話している。 ■小さな車体 動ききびきび ISK浜名湖店で使用している大人向けカートの大きさは全長約2メートル、全幅約1メートル40センチ。5インチの小さいタイヤを履いている。ガソリンエンジンで排気量は200cc。エンジンは座席の後部に搭載されている。 運転の仕方は、乗用車とほぼ変わらない。足元のペダルは右がアクセル、左がブレーキだ。変速機はなく、ハンドルとペダル操作のみで運転するシンプルな造りになっている。 近年の乗用車で一般的なパワーステアリングの装備はないので、ハンドルを切る際はぐっと重みを感じる。一方で自身のハンドルさばきやペダルの操作が車体の動きに素早く反映されるため、カートならではのきびきびとした運転を楽しむことができる。
静岡新聞社