舞台『そのいのち』で主演を務める宮沢りえ「健常者と障がい者ってなんなのか。その言葉自体に疑問がわいている」
また「もちろん宮沢りえという大きな存在、そして同業者として非常に信用できる、その俳優と一緒にやるということは、それは楽しみ。むしろ不安はない。でも、やっぱり今回はハンディキャッパーで障がい者の2人が出るということで、本当に座組全員が一丸になって立ち向かわないと絶対に越えられない山のような気がするんですが、この登山はやる価値があるというか。もちろん不安はたくさんあるが、意義があるというと口幅ったいけれども、越える価値がある山というか。そこはむしろあえて言うなら楽しみですね」とも。 宮沢も「健常者と障がい者ってなんなのかなって、その言葉自体に疑問がわいている。何が自由で何が不自由で…。私って障がいという言葉が好きじゃないなって、さっき思いました。自由に体が動いている人の心が不自由かもしれないし、体が不自由でも心はとても自由で、健やかに生きようとする人がいたり。健常者と障がい者を区別することって何なのかなという疑問がさっきわいてきました。そういう意味でもお二人と作品を作るということは私にとって大きな経験になると思います。私も一度だけご挨拶だけさせていただいたんですが、本当に作品に対して前向きなお二人を見て勇気をもらいましたし、健常者と障がい者って何なんだろうという自分の中に芽生えている疑問のようなものを少しでも明確にして、3カ月近く一緒に作品を作ることができたことによって、いろいろなことに気付けるだろうなということがすごく楽しみ」などと語った。
また佐藤は「僕にとっては負を力に変えるということが=生きることなんだなって思っている。それを物語にしたいという思いがあるので、そういう時は心血を注いで書ける。書くって心血を注がないと書けないので。“負を力に”というのはハンディキャッパーの方の負だけではない。いわゆる健常者といわれる人にも絶対に負はある。そういうものがなくて生きられる人は心からうらやましいが、大概あるじゃないですか。それを生きる燃料にするというのが人生というか生きることだと思うんですよね。それは心から思います。だからそれを書きたいと思った」と改めて脚本家としての思いを訴えた。 同作は11月9~17日まで東京・三軒茶屋の世田谷パブリックシアターで上演後、22~24日に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、28日に宮城県の東京エレクトロンホール 宮城でも上演される。