政治団体「支持政党なし」間違い票は否定 政治不信の「ぶつけ先に」
THE PAGE
10日に投開票された参議院選挙では、ある政治団体が議席を獲得するのではないかと注目を集めていた。その名前は「支持政党なし」。選挙区や比例区に10人を擁立し、比例代表では60万票以上の得票があったが、結果は議席ゼロ。代表の佐野秀光氏は11日未明に東京都大田区の事務所で会見し、「支持政党がないという人の心の声が届けられた」と手応えを語った。一方で政治団体名とは思わないで投票する「間違い」票については「今回の参院選ではほぼない」と否定。支持政党がない人の思いのぶつけ先をつくれば投票率が上がるのではないかと語った。
政治団体とは思わずに投票?
政治団体「支持政党なし」が国政選挙に出たのは今回が初めてではない。代表の佐野氏は、2009年の衆院選の比例代表北海道ブロックに「新党本質」という政治団体として立候補したが、1万票にも満たず落選。しかしその後、「支持政党なし」として出た2014年の衆院選の比例代表北海道ブロックでは、約10万票を獲得した。こうしたことから、今回の参議院選では、初の議席を獲得するのではないかという観測もあった。 同団体は、比例区に佐野代表ら2人、東京選挙区に4人、北海道、神奈川、大阪、熊本に1人ずつ公認候補を立てていた。しかし、選挙区は全滅、比例区も60万票以上を得たものの、議席を得ることはできなかった。 メディアの世論調査などでは「支持政党なし」が4割を超えることもある。しかし、これは政治団体の「支持政党なし」ではない。そのため、同団体の得票は、支持されて得たものではなく、間違って書かれたものが含まれるのではないかという指摘がある。 しかし佐野代表は、今回の参院選の得票については、その見方を否定する。「衆院選では支持政党がなく入れるところがないから、『支持なし(同団体の略称)』と書いた人もいると思うが、今回の参院選の投票では、明らかに政党名、略称、その隣に候補者名が書いてあるので、『間違い』はほぼないと思う。積極的に支持政党のない方が書いてくれた票だと思っている」。