阪神 ドラフト候補に最速153キロ右腕の延岡学園・藤川敦也をリストアップ 九州No・1高校生投手
阪神が今秋のドラフト候補に、宮崎・延岡学園2年の最速153キロ右腕、藤川敦也投手(17)をリストアップしていることが9日、分かった。九州No・1高校生投手の呼び声が高い本格派で、同日に兵庫県西宮市の球団事務所で行われたスカウト会議でも報告があった。藤川球児新監督(44)と同姓で、虎の恋人にピッタリの逸材だ。 【写真あり】甲子園の銀傘がアルプスまで!28年に完成予定、拡張される銀傘の完成イメージ 延岡学園の藤川の名前が広まったのは、昨年5月のこと。2年春という早い時期に153キロをマークし、1年先のドラフトを見据えたスカウト陣がマークするようになった。 1メートル83、87キロの恵まれた体で、いかにも重そうな威力ある直球が武器。昨秋の宮崎大会は3回戦で敗れて今春選抜出場の夢を絶たれたものの、阪神の前田忠節スカウトは9月の時点で、秘めたポテンシャルを絶賛していた。 「体の馬力は並外れたものがある。フォームはまだ未完成。その状態で、昨夏にもしっかり150キロを計測した。逆に言えば伸びしろがかなりあるということ。制球もフォームもまとまれば、将来が非常に楽しみ」 九州No・1高校生投手の評価もあり、県内では、日南学園3年時の01年夏の甲子園で158キロを計測して、同年のドラフト1巡目でダイエー(現ソフトバンク)に入団した寺原隼人の「再来」とも言われている。この日、兵庫県西宮市の球団事務所で行われたスカウト会議でも当然、リストアップされた。 右の本格派の高校生で名字が「藤川」となれば、いやが応でも阪神の藤川監督と重なる。「敦也」の名前は名球会入りしたレジェンド捕手の古田敦也が由来でも、本人は通算243セーブを生んだ「火の玉ストレート」に憧れ、「ストレートが凄い。マネできたら、したい」と尊敬の念を抱いている。延岡学園は小幡の出身校で、タイガースとのそのつながりは、仮に指名となった場合に大きなメリットになる。 球団が挙げるドラフト候補には、愛媛・西条の本格派左腕、宇佐美球児投手(17)もいる。「藤川」と「球児」。新指揮官の名前と縁がある2人の高校生投手を、猛虎は一年をかけて追うことになる。 打者では、創価大の立石正広内野手(21)が最上位にリストアップされているとみられる。一方で、広い甲子園を本拠地とするチームは、継続的な投手の育成が不可欠。好素材の発掘が、投手王国につながる。 ◇藤川 敦也(ふじかわ・あつや)2007年(平19)10月23日生まれ、福岡県飯塚市出身の17歳。小1からソフトバンクのキッズスクールで野球を始め、小4から穂波ブルースカイ、中学ではヤング北九ベースボールクラブに所属。延岡学園では1年秋から背番号11でベンチ入り。1メートル83、87キロ。右投げ右打ち。 ≪主な延岡学園出身者≫黒木知宏は95年にロッテ入り。「ジョニー」の愛称で知られ、5年連続2桁勝利を含む通算76勝を挙げた。黒木純司は96年に日本ハム入り。主に中継ぎで通算170試合に登板し02、03年は1学年先輩の黒木知宏とロッテで同僚になった。左腕の神内靖は02年にダイエー入りし通算155試合に登板。草野大輔は06年に29歳で楽天入りし、09年はリーグ8位の打率.305をマーク。現役では阪神の小幡竜平、23年の育成ドラフト4位でロッテ入りした藤田和樹がいる。