深川麻衣 アイドルグループ卒業後、ドラマ、映画、舞台で快進撃を続ける実力派俳優に!
■「乃木坂46」を5年間で卒業、本格的に俳優業スタート
2011年、専門学校卒業後、上京した深川さんは、数カ月間バイトをしながら生活し、そして同年、「乃木坂46」の1期生オーディションに合格。アイドルとして活動し、2016年にグループを卒業することに。 「5年間で卒業するということは、最初から決めていたわけではなくて、活動する中で徐々に自分が何を一番やりたいのかが明確になっていって、4年目のときに決めました。新しい場所でお芝居を一から勉強していきたいと思ったことがきっかけです」 ――「乃木坂46」に未練はなかったですか 「最初は、『未練があったらどうしよう?』って怖かったんです。実際に自分が本当に辞めた翌日にどういう気持ちになるのかなって。やっぱり実際にそうなってみないとわからないので怖かったんですが、私は卒業ライブが1番最後のお仕事だったんです。 その翌日の朝、目が覚めた時にすごくやりきった清々しさがあったので、本当に後悔なく、全部やりきれたんだと思って安心しました」 ――すぐに現在の事務所に所属することになって舞台に主演することに 「はい。『スキップ』という舞台で、『劇団キャラメルボックス』の皆さんと一緒にやらせていただきました。 舞台の本格的な発声とか、基礎的なことが何もわからない状態だったので、0(ゼロ)から叩き込んでいただいて。その舞台の期間の中で、本当にいろんなことを教えていただきました。 舞台は、初日から千秋楽まで緊張状態が毎日続くので、ほぐれていくということはなくて、ずっと緊張していましたね。だから、千秋楽を迎えた時はホッとしました」 ――その時にはもう次の仕事というのは決まっていたのですか? 「並行していた記憶はないので、舞台期間中は舞台だけやっていたと思います」
■映画初出演にして主演をつとめた作品で最優秀新進女優賞を受賞!
深川さんは、舞台「スキップ」の翌年、2018年に公開された「パンとバスと2度目のハツコイ」で、映画初出演にして主演をつとめ、第10回TAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞した。 深川さんが演じた主人公・ふみは、恋人からプロポーズされたものの結婚に踏ん切りがつかず別れてしまう。そんな彼女の前にかつての初恋の相手・たもつ(山下健二郎)が現れ心ときめくが、彼は離婚した元妻のことが忘れられず未練タラタラで…という展開。 「今泉監督に初めて出会えた作品です。自分の中で映画にはずっと特別な憧れがありました。映画は自分で足を運んで見に行くものですし、始まる前の高揚感や、大画面で物語に没頭して集中することができる体験というのは、映画館でしか味わえないものなので、そんな映画に初めて参加できるということがすごくうれしかったのを覚えています」 ――初めての映画の撮影はいかがでした? 「全部が新鮮でした。『こういう風に撮っていくんだ』とか、本当にすべてが初めてだったので、戸惑ったこともありますが、今泉監督も一緒に悩んで相談しながら作っていく監督だったので、安心して撮影に臨むことができました。初めての映画がパンバスで本当に良かったなって今でも思っています」 ――深川さんが演じた主人公は、とても自分の気持ちに正直な女の子ですね。恋人にプロポーズされて、ずっと好きでいられる自信も好きでいる自信もないというので、断って別れてしまう 「そうですね。たぶん、ほとんどの人はそこでOKを出すと思うのですが、私が演じた“ふみ”は自分の気持ちに一切嘘をつかない女性でした。 今泉さんはそういう風に、普通だったら…と思って通り過ぎてしまう気持ちだったり、そういうものを置き去りにしないで、改めて疑問として問いかけていく作品がすごく多くて、それが面白かったですね。 パンバスでの“ふみ”も、ちょっと独特の感性を持っているけど、確かにそうだよねって共感する部分もたくさんありました。ふみの初恋の人・たもつくんも子どもがいるのに奥さんに浮気をされて、それでもまだ好きで彼女のことが忘れられなかったり。 複雑な人間関係が描かれていますが、こういう人なんか知っているなとか、どこかに絶対存在していると思える説得力が、今泉さんの描く人物達にはある感じがします」 ――2人が自分の思いを大声で叫ぶシーンが印象的でした 「ちょうど撮影中に、遠足中のたくさんの小学生の子たちがあの大室山の頂上に来ていて、その叫んだシーンでカットがかかった後に、一人の子が『今の良かったよ』って言って通り過ぎていきました(笑)。すごい恥ずかしかった思い出があります」 ――完成した映画をスクリーンでご覧になった時はいかがでした? 「言葉にできない気持ちが込み上げてきました。やっぱり初めての経験というのは1回きりなので、エンドロールで自分の名前が流れてきた時に、この瞬間の気持ちを絶対に忘れないようにしようって思ったのは、鮮明に覚えています」 ――複雑に揺れる心情を繊細に体現されていました。よく歌手の人は4分間のドラマを演じているのだから心情表現が豊かだと言われますが、深川さんは絵も描かれるのでその感性もあるのでしょうね 「それは自分ではわからないです。よく『たくさんの人の前で歌って踊ってライブをしてきたんだから緊張しないでしょう?』って言われるんですけど、自分の中では全く別物という感覚もあって。 アイドルの時も、自分は自分だし、キャラクターを作っていたような感覚は全くないんですけど、お芝居だとさらに自分の深いところを引き出しとして開けて向き合っていかないといけないという感覚があります。 人柄が透けて見える感じがするので、お芝居の方がちょっと恥ずかしかったりしますね。すごく緊張します」 ――この作品でTAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞されました 「憧れだった映画の世界に飛び込んだ作品で賞をいただいて、信じられないくらいうれしかったです。もっと頑張らなければと背筋を正される思いでした」 映画デビュー作で注目を集めた深川さんは、同年、連続テレビ小説「まんぷく」に出演。2019年には、「日本ボロ宿紀行」(テレビ東京系)で地上波連続ドラマ初主演。2021年には映画「おもいで写眞」に主演と、出演作品が続いていく。次回はその撮影エピソードなども紹介。(津島令子) ※深川麻衣プロフィル 1991年3月29日生まれ。静岡県出身。グループを卒業後、本格的に俳優として活動をスタート。映画「パンとバスと2度目のハツコイ」、映画「今はちょっと、ついてないだけ」(柴山健次監督)、映画「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」(穐山茉由監督)、「彼女たちの犯罪」(読売テレビ)、「アイのない恋人たち」(ABCテレビ・テレビ朝日系)などに出演。2025年1月24日(金)に主演映画「嗤う蟲」(城定秀夫監督)の公開が控えている。 ヘアメイク:村上綾 スタイリスト:原未来 衣装:ジャケット G.V.G.V.(k3 OFFICE) リング(中指) リング(人差し指) ともにNUUK(k3 OFFICE) ワンピース JANE SMITH (JOHN MASON SMITH JANE SMITH STORE)
テレビ朝日