万博巡る「維新vs公明」が大阪府議会人事に影響 異例の第3会派・自民から選出
大阪府議会は20日、5月臨時会を開き、新たな議長に最大会派の大阪維新の会から中谷恭典氏(70)を、副議長に第3会派の自民党から中井源樹(もとき)氏(50)をそれぞれ選出した。副議長は近年、幅広く合意形成を図るため、慣例で第2会派から選出してきたが、現在第2会派の公明が2025年大阪・関西万博の課題を追及し、維新と対立している事情が影響した。 臨時会後の記者会見で中谷氏は「万博の機運醸成を進める1年にしたい」と意気込み、中井氏は「府議会の良き伝統を引き継ぎ、公平な議会運営を目指す」と抱負を述べた。 維新幹部によると、会派内で公明からの副議長選出に疑問の声が上がり、公明との事前協議で意向を確認した際、万博への姿勢を指摘。維新幹部は「万博を政局にするのは違う。自民とは協調してきた」とする。 対する公明は昨年度に続き副議長ポスト獲得を目指したが、維新との事前協議を経て辞退した。公明幹部は「万博の課題を追及することは議員の役割だ。今後も指摘していく」としている。 万博を巡り、府議会では吉村洋文知事(維新代表)が国と大阪府市、経済界で3等分する会場建設費の2度目の増額を容認して以降、公明が、日本国際博覧会協会副会長を務める吉村氏の責任を追及。昨年11月に維新が増額を最後にするよう国に求める意見書案を提案し可決されたが、公明は「意義を見いだせない」と反対した。