【東京V】63歳城福監督ボール追う!コーチ陣が身を持って指導 木村「いいイメージでやれた」
東京ヴェルディの城福浩監督(63)が我が身をもって選手たちをしごいた。 26日、次戦の川崎フロンターレ戦(30日・味スタ)に向けた練習の中で、ビブスを付けた攻撃の選手たちに立ちふさがったのは黒ずくめの男たち。なんとコーチングスタッフだった。 昨季まで選手だった奈良輪雄太コーチ、和田一郎ヘッドコーチ、森下仁志コーチ、シンガポールから研修で来ている2人のコーチ、さらには通訳の岩打弦大さんまでも。そして懸命にボールを追う中の1人に、なんと63歳になる城福監督の姿があった。 北風の寒空をよそに、ピッチは熱気が充満していた。コーチ陣が巧みな足技でビブスの選手たちをいなす場面もあり、プライドを刺激するという意味ではメンタル的効果が出た。自然と強度は高まる。城福監督も負けじと懸命に中盤からボールを追い、自らの体をもって選手たちに向き合った。 攻めきれずボールを失ったところでの即時奪回をテーマとした練習だった。ちなみに城福監督らコーチングスタッフは練習後、ボール回しの「鳥かご」で汗を流すのが日課となっている。高まる年齢の壁こそあれど、プレーするのはお手の物である。 FW木村勇大は「いつもクロスからのという(練習)は求められているところではありますけど、今日は相手がつないできたところで奪い返すというテーマでやりました。コーチたちも頑張ってくれたので、いいイメージでやれたんじゃないかなと思います」と振り返った。 川崎Fは最終ラインからしっかりボールを保持するチーム。そこを踏まえた上での、どこか楽しげな、チームが一体感を持って盛り上がれるメニューだった。 前節のヴィッセル神戸戦ではオウンゴールを誘発するなど、この終盤戦で攻撃のキーマンとなるMF山見大登は「フロンターレはボールを持ってつないで、つないでというのがうまいチームやと思うので、そこで後手を踏むと相手のペースになる。守備からいい攻撃に移り変われれば、相手の前線の選手はそこまで守備に重きを置いているわけではないので、攻撃をするためのいい守備が大事になってくると思います」。 残り2試合に連勝すれば、他力本願ながら4位の可能性も残される。また、天皇杯で神戸が優勝したことに伴い、リーグ4位となれば来季アジアチャンピオンズリーグ(ACL)2への期待も膨らむ。「ACLまでは考えていないですが、2連勝していいシーズンの終わり方をしたい。その結果としてついてくれば」と山見は言う。 城福監督らスタッフの声が響き渡るグラウンド。日々の練習からチームを作り上げてきたという自負は強い。その成果が試される今季のラスト2試合となりそうだ。【佐藤隆志】