江藤拓・農水相「自己批判できる農水省に」 農業抱える構造的な課題解決へ予算増額に意欲 石破内閣ー新閣僚に聞く
江藤拓農林水産相は産経新聞などの就任インタビューに応じた。これまでの農業行政を「前例主義だ」と断じ、大胆な発想が生まれるよう、農水省を「自己批判のできる」組織体質に変革すると宣言。農水相や自民党農林部会長など農政の要職を歴任しながらも、農水省を前例主義が根強い組織にしてしまった自身を「共犯者」と表現し、戒めた。また、農家の激減や耕作放棄地の増加といった国内農業が抱える構造的課題の解決には「コストがかかる」と強調し、農業関連予算の増額に意欲を示した。一問一答は以下の通り。 【第2次石破内閣の顔ぶれ】新たに国交相に中野洋昌氏などが3人が入閣 残りの閣僚は再任となった ――就任会見で「大胆に農政を運営する」と明言したが、その意図は 「農水省に限らず、行政は基本的に前例主義で自己批判ができない体質となっている。私も深く関わり、(農水省をそういう体質にしてしまった)共犯者だ。自己批判ができない組織は成長できない。共に責任を感じながら、堂々と果敢に取り組んでいく姿勢を示せるよう変えていきたいということで、〝大胆に〟という言葉を使った」 ――なぜ、農水省は前例踏襲が根強い組織となったのか 「(行政)組織とはそんなものだ。例えば、誰が財務相になろうと、財務省がプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化という錦の御旗を下ろせないように。だが、今や耕作地と農業従事者が激減し、その従事者の平均年齢が68歳に至っており、前例踏襲とは言っていられない」 ――農業関連予算の増額を訴えている理由は 「(国内農業の)構造改革や食料安全保障の確立となれば、当然コストはかかる。土地改良予算が削られ、災害による農地被害は拡大している。農家が所得を確保するには優良な農地確保は欠かせない。(AIやロボットを使った)スマート農業の活用や資材費の高騰で農家負担は大きくなる一方だ。だから、国が(予算を増額して農家を)支援するしかない」 ――会計検査院からは、2023年度に農水省が最も多い税金の無駄遣いがあったと指摘された 「農水省の(予算計上したが結果として使わなかった)執行残が非常に多く、反省しなければならない。ただ、予算の性質上、予算が足りなくなると大変な問題になる(ことも考慮しないといけない)」