OMA NY重松象平と巡る〈虎ノ門ヒルズ ステーションタワー〉。
東京・港区に開業した〈虎ノ門ヒルズ ステーションタワー〉。建築デザインを手がけたOMA NYの重松象平とともに、食・ホテル・アート・ビジネスと多彩な分野を発信する同ビルを巡ります。 【フォトギャラリーを見る】 2014年開業の〈虎ノ門ヒルズ 森タワー〉(以下〈森タワー〉)から始まった〈虎ノ門ヒルズ〉の開発が、〈虎ノ門ヒルズ ステーションタワー〉(以下〈ステーションタワー〉)をもって完成した。地上49階、高さ約266mの建築デザインを手がけたのは、OMA NYを率いる重松象平。日本国内では福岡県の〈天神ビジネスセンター〉(2021年)に続き、東京では初の大規模な建築だ。
重松とともに、完成したばかりの同ビルを巡った。既存の〈森タワー〉側と〈ステーションタワー〉を結び、桜田通りをまたぐ人道橋〈T-デッキ〉に立ち、重松はこう語る。 「東京には西洋的な都市の軸線に呼応する建築があまりないので、ここでは敢えてその概念を三次元的に表現しました。新虎通りから〈森タワー〉を抜けてきたアクティビティと緑の軸が〈T-デッキ〉を通って〈ステーションタワー〉を突き抜ける。そのために、通常は高層ビルの中央にあるエレベーターコアを、低層部では左右に振り分けました」
〈T-デッキ〉を渡り〈ステーションタワー〉の2階から、エスカレーターで地下2階の〈ステーションアトリウム〉へ。ここは東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅直結の地下広場で、〈森タワー〉や〈ビジネスタワー〉〈レジデンシャルタワー〉にもつながっている。 「この広場では回転した正方形の白い床が公共のアクティビティエリア、その周囲の黒い床が〈ステーションタワー〉のオフィスや〈TOKYO NODE〉、〈ホテル虎ノ門ヒルズ〉へと続く動線エリアとなっています」
シャトルエレベーターに乗り、7階〈スカイロビー〉を経由して、東京の新たな情報発信拠点〈TOKYO NODE〉へ。8階にはカフェ、45階にはダイニングがあり気軽に利用できる。中心となるのは46階のメインホールと45階の3つのギャラリーで、アートやエンターテインメントなどジャンルを超えたコラボレーションが繰り広げられる。 「NODE(ノード)とは結節点のことで、官公庁にも商業エリアにも近いこの立地だからこそ、新たなビジネスやアート、カルチャーが行き交って新しい発信や価値が生まれる、このタワーのアイデンティティとなる象徴的な場所です」