クマ目撃情報いち早く 富山・砺波市、中山間地にAIカメラ12台
富山県砺波市は10日、クマ対策として、中山間地に人工知能(AI)を活用したカメラを本格導入した。6月下旬から実証実験をしており、効果が見込まれたことから、市内4地区に計12台のカメラを設置する。市の担当者は「関係者にクマの目撃情報をいち早く送り、素早い初動対応に生かしていきたい」と話している。 砺波市では、5月下旬に平野部の狐島でクマが出没し住宅敷地に侵入する事案が発生。その際、市は住民から情報発信不足が指摘され、6月初めに開いたクマ緊急対策会議で情報連絡体制を見直すとした。カメラの設置はその一環で、6月下旬に実証実験用のものを般若、東山見の両地区に1台ずつ設けた。 カメラは人や車など動く物を全て撮影し、AIがクマと判定した写真だけを市職員や地元の自治振興会役員らに送信する。12台は今月末までに般若(2台)、栴檀野(4台)、東山見(3台)、雄神(3台)の4地区にそれぞれ設置する。
10日は、市職員2人が3地区を訪れて計3台を設置。般若地区では福山の市道脇にある看板に取り付けた。作業を見守った般若自治振興会の八田俊伸会長(71)は「クマが平野部に下りる前に住民に注意喚起できるのでありがたい」とほっとした表情を浮かべた。 市の担当者は「同じ場所で出没回数が多ければ、捕獲わなを仕掛けることも検討したい」と話した。