買い物客は野鳥のトビに注意! 松本のスーパーで肉や魚さらわれる被害
長野県松本市並柳1のスーパーマーケット、ラ・ムー並柳店(小山賢太郎店長)で、野鳥のトビに注意を促す掲示が張られている。5~6月に買い物客のかごから肉や魚がさらわれる被害が相次いだ。7月に入ると収まった。識者は、5~6月はトビの繁殖期に重なると指摘。思わぬけがをする可能性もあり、中身を見せないことが対策につながるとする。 同店によると、被害は多い時で1日に4~5件発生した。カバーがなく中身の分かるタイプのかごが狙われた。パック入りの肉や魚に加えて、すしが奪われるケースもあった。付近の電線に特定の2羽がいることが目撃された。 対策として、店の出入り口の目立つ場所に食品を見えないようにするといった、注意点を示した掲示をした。5~6月は店内放送でも呼び掛けた。被害は収まったように見えるが、小山店長は「いつ飛来するか分からない。十分注意を」と呼び掛ける。 信州野鳥の会顧問の丸山隆さん(74)=松本市南原=は、餌を得ることができると学習した個体による行為と推測する。5~6月はトビの繁殖期にあたり、ひなへの餌の確保が必要になる。数年前には安曇野市内でも、トビが食べ物を奪い去る被害があった。 丸山さんは「鳥は視力が発達している。中身が見えないように、かごを布で覆うといった対策を」と促す。人間に危害を与えることはないものの、トビの爪が当たるといったことは考えられる。「何かの拍子で買い物客がけがをする恐れがあり、注意が必要」と話している。
市民タイムス