プロ野球選手の夢を断念して『スッポン養殖』の道へ!? 80歳師匠の思いを継いだ25歳が目指すのは「養殖界のレジェンド」 兵庫・香美町
スッポン養殖の1日
養殖場の一日は、エサづくりから始まります。魚のアラや米ぬかなどを増田さんから教わった秘伝のレシピで調合します。 (安藤さん)「食べてますね」 エサはスッポンの肉質を大きく左右するため、しっかり食べているかどうかチェックが欠かせません。 数ある作業で一番大変なのは、スッポンの捕獲です。警戒心が強く人の気配を感じると泥に潜るため、泥をひたすらかき分ける重労働です。
“スッポンを通じて地域ににぎわいをつくりたい”
今年1月には仲間とスッポン養殖などの会社「月とすっぽん」を立ち上げました。目指すのはスッポンを通じて地域ににぎわいをつくることです。 (安藤優汰さん)「スッポン養殖はライバルが少ないので結構売れるんじゃないかなと思った。小代の名産として田舎でも稼げる事業として『あの企業に入れば大丈夫だ』と思ってもらいたいです」 6月中旬、安藤さんたちは神戸の有馬温泉にいました。 (安藤さん)「この辺全部まわります。営業で」 まずは兵庫県内で「小代のスッポン」の販路を広げようと温泉地などをまわり、旅館や飲食店に飛び込み営業をかけます。 (「陶泉御所坊」支配人 竹安善則さん)「いろいろ行ったらひょっとしたら、使ってみたいというところもあるかもしれないですね。食材もいろんなところから入れているから」 (「湯屋の宿 康貴」代表 下浦拓也さん)「一応また言っておきます。何店舗かにチラシを見せて、どうっ?て」 (安藤優汰さん)「めちゃくちゃ聞いてくれましたね。ここから一気にその社長から広がりそう」
地元の人「若者が増えて事業継承してもらうことはいいこと」
香美町に移住して1年、地元にもすっかり溶け込んできました。 (地元の人)「若者がちょっとでも増えて事業継承してもらうことはいいことだと思います」 (地元の人)「よそから来て頑張ってくれるのはとてもうれしいです。(増田)時雄さんにもまだまだ頑張ってもらいたいです」 そして8月、安藤さんのもとにスッポンを扱いたいという人が訪ねてきました。営業をかけていた有馬温泉の旅館の代表です。 (安藤さん)「(スープは)鍋を作る要領と一緒で全身使います」 (「御所坊」代表 金井啓修さん)「スッポン豆腐を卵豆腐の要領で作ったら、けっこう日持ちするし売れるんちゃうかな。おいしいやつをどう作るか」 まずはスッポンのダシを使って旅館で出す卵豆腐を試作することになりました。 (安藤優汰さん)「(営業の成果が)実りました。スープにこだわってスープを活用する方がいいと言われたのは収穫。こっちからいろんな企業に声を掛けられると思いましたね。スッポンのダシを使って一緒にやりませんかとか」