ーーなぜ変わったのでしょう？ 　「6番という打順やろう。4番のマートンの調子がいい。下位では藤井がしぶとくチャンスでランナーを返す。新井の心理的負担が軽くなったんだろう。責任感の強く素直な男だけになおさらそうだ。新井は4番を打たしてはならないバッターだから」 ーーもう優勝ですね（笑）。 　「いやいや。まだまだ、そうは言い切れない。真価を問われるのは交流戦。データのない投手が、次から次へと出てくるから、どれだけ打線が好調をキープできるか。パの方がセの巨人以外の4球団よりもレベルが高いよ」 ーー交流戦では、データ的に、投手防御率が良くブルペンが充実しているチームが毎年上に行きます。 　「まだ信用のできる投手がおらん。今日の能見にしても、8回に先頭の代打・水田にカウント2－0から、なぜインサイドを強引に攻めて、ホームランを打たれるの?　せっかく点を取ってもらっているんだから慎重に外中心にリスクのない組み立てをするべきだろう。こういう失点をすると野手との信頼関係が薄れる。抑えの久保も制球、球威共に不安だし、筒井が戻ってきたといえど、左の中継ぎが足りないわな。交流戦をどう乗り切るかがペナントレースの行方を左右するでえ」 　筆者も三宅さんと同意見。いくら統一球が飛ぶようになったと言えど、打線は水モノだ。新井貴の波もいつまで好調をキープするかもわからない。巨人との優勝争いを最後まで演じるには、やはり投手陣の整備である。先発は5人（メッセンジャー、スタンリッジ、能見、榎田、藤浪）と揃ってはいるが、肝心のブルペンが不安なのだ。ストッパーは、久保のままでゴールまで走るのか、左のセットアッパーは不在のままで、今後、待ち受けているであろうチームスランプの試練に立ち向かうのか。好調な時だからこそ、ちょっと先を見据えたリスクマネジメントが必要である。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （文責・本郷陽一／論スポ） 　 サンケイスポーツの記者としてスポーツの現場を歩きアマスポーツ、プロ野球、MLBなどを担当。その後、角川書店でスポーツ雑誌「スポーツ・ヤア！」の編集長を務めた。現在は不定期のスポーツ雑誌＆WEBの「論スポ」の編集長、書籍のプロデュース＆編集及び、自ら書籍も執筆。著書に「実現の条件―本田圭佑のルーツとは」（東邦出版）、「白球の約束―高校野球監督となった元プロ野球選手―」（角川書店）。