「きれいな人がいるな」「実物も顔が整ってる」 初対面で引かれ合った「競輪界の美男美女カップル」が結婚ウラ話を語る
ビデオ通話で告白
二人の休みはなかなか合わず、九州でのレースとあらば、地元の鹿児島が拠点だった円佳さんが帰りに熊本に立ち寄る形で食事を共にし、九州以外でレースを終えた際には、双方の“中間地点”で落ち合った。秀之介さんの“クラスアップしたい”思いは彼女にも向けられ、年明けの21年1月、ビデオ通話中「これからレースに行ってくる。付き合ってください」とマクり気味に交際を懇願。彼女も「お願いします」と応じた。 3月に秀之介さんは岐阜県・大垣競輪場での「ルーキーチャンピオンレース」に出場し、父母らが応援に駆け付けた。レース後、連絡してきた父に「今、彼女といる」と告げると父は「会いたい!」。円佳さんにとっては将来の義理の両親との初対面となり、ドキドキはしたがすぐに打ち解けた。父の秀浩さんは昔から秀之介さんのレースを見てアドバイスを授けており、最近は円佳さんにも同じように接してくれる。
プロポーズは糸島で
23年5月24日、二人はデートで福岡県糸島市へ。直前に不整脈で手術を受けた円佳さんの快気祝いとして、高台のレストランで海鮮料理を楽しんだ。食事後、夫婦岩を眺め、写真も撮って「そろそろ帰ろっか」という彼女の前で、彼は何やらソワソワしている。 以前、テレビ番組を見ながら「海でプロポーズされるのっていいよね」と彼女が話していたことを覚えており、周りの人が少なくなるのを待っていたのだ。人の気配が途絶える頃、「結婚してくれますか」と指輪のケースを差し出した。 驚いた円佳さん。「ちょっと待って」と深呼吸して息を整え、「もう一回やって」とリクエスト。幸せをかみ締めて「お願いします」と満面の笑みを見せた。 吉日が重なった8月4日を入籍日と決め、彼が大阪の岸和田競輪場から帰った後、夜の市役所に届け出た。 今年春には長男が生まれ、秀浩さんは4代目となるやもしれぬ孫に愛情を注ぐ。 現在二人が所属する熊本競輪場は16年の熊本地震からようやく復興し、夫婦は地元ならではの熱い声援を今後も背に受けることになる。 円佳さんの故郷の鹿児島はもちろん、「熊本を盛り上げていきたい」と夫婦の息はピタリ。活躍する両親を、いずれ長男はどんなふうに見つめるか、今から楽しみだ。
「週刊新潮」2024年12月19日号 掲載
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