“原爆の父”オッペンハイマーの孫 広島で被爆者と面会
日テレNEWS NNN
原爆の開発を主導した物理学者、ロバート・オッペンハイマーの孫が、広島を訪れて被爆者と面会し、核戦争を避けるためにできることをしないといけないと語りました。 広島市役所では、今月3日から原爆死没者名簿への記帳が始まりました。被爆者で元広島市職員の2人によって新たに書き加えられるのは、去年8月6日以降に死亡が確認された4000人余り。名簿は、平和記念式典で原爆慰霊碑に納められます。 池亀和子さん「祖母、父、母、みんなの名前を書いてきた。あと残っているのは私と弟だけ」 原爆の犠牲者が眠る平和公園。今月1日、1人の男性が訪れました。アメリカから来日したチャールズ・オッペンハイマーさんです。 祖父のロバート・オッペンハイマーは、原爆を開発した「マンハッタン計画」を主導した物理学者で、「原爆の父」と呼ばれました。 原爆の開発責任者 ロバート・オッペンハイマー「我は死なり、世界を破壊する者なり。私たちの誰もがそう感じたでしょう」 被爆地でも注目される中、広島を訪れた孫のチャールズさん。被爆者の小倉桂子さんと面会し、去年開かれた「G7広島サミット」の記念館を見学。小倉さんがG7の首脳と対面した時の話に耳を傾けました。 小倉桂子さん 「私はG7首脳に何を話そうか、ずっと考えていた。彼らは世界に影響を与える力を持っているから」 チャールズ・オッペンハイマー 「小倉さんの話に感銘を受けた。核戦争の脅威が続いていることは最も危険。世界を終わらせるような争いを避けるために、緊張や対立を緩和する行動をとらなければならない」 小倉さんの手帳には、チャールズさんからのメッセージが記されていました。 「I hope we have more peace in the world! Thank you for your work.(世界にもっと平和が訪れることを願っています! ありがとう)」 広島への旅を終えたチャールズさん。3日午後、東京の日本記者クラブで会見し、「祖父は核の脅威に対処するため、世界の協力が必要だと訴えていた。今こそ、祖父の主張に耳を傾けるべきだ」と語りました。