バスや電車を降りたあとの「足」に続々新提案! ジャパンモビリティショーに展示された「電動小型モビリティ」3台をリポート
Hundredths「チャットカート 燃料電池試作車」
続いて、交換式の低圧水素ボンベを用いた燃料電池試作車と、今日の折りたためるEVバイクの先駆けとしてデビューしたモデルに、免許不要で乗れる特定小型原付モデルが追加されたので見ていくことにしよう。 こちらはエベサーが輸入代理店となって販売している、4輪独立サスペンションを備えた特定小型原動機付自転車の電動カート「チャットカート」を、低圧水素ボンベで走れるようにした燃料電池試作車だ。 全長1060mm、全高1040mm、全幅600mmというコンパクトな車体はそのままに、取り扱いが容易な交換式の低圧水素ボンベ(画像の青色のボンベ)を車体に収めることで、誰しもが水素エネルギーの恩恵を受けられることを目指して開発されている。 開発は、長野県のHundredths(ハンドレス)をはじめ、東京工科大学、菊池製作所などが関わる、産官学グループで進められているという。 トヨタブースでは今回、コンパクトなカードリッジ式水素ボンベの提案が行われていた。そこで活用方法のひとつにコンロを紹介していたが、こうしたマイクロモビリティの燃料としても有効だと思われるので、今後マッチングが進められるのではと筆者は想像している。
BLAZE「SMART EV 特定小型原付モデル」
ファッショナブルなデザインで、折りたためる電動バイクとして人気が高いBLAZE(ブレイズ)の「スマートEV」に、特定小型原付モデルが誕生した。 基本的にはスマートEVがもつ、5秒で折りたためる容易さ、取り外し可能なバッテリーパックでどこでも充電が可能な便利さ、縦66cm横27cm高さ123cmのスペースがあれば折りたたんで保管できる省スペース設計などの美点はそのまま引き継がれている。 特定小型原付モデルは、最高速度表示灯が装着されたのが見た目の特徴だ。走行性能は時速20km/hまで出せる走行モードと、最高速度を時速6km/hに制限することで歩道の通行が可能になる歩道モードの2種類を搭載しているのも、特定小型原付モデルならではといえる。 本来はもう少し高い速度域で走ることを前提としたシャシーに対し、あえて出力を抑え法規に準拠する方法をとっているので、フレーム強度や耐久性の面でもメリットが多いものと思われる。車両本体価格は税込み23万9580円。 次回は、遊び心あふれる折りたたみEVバイク、階段を昇り降りできてしまう小型モビリティ、手動の車いすを特定小型原付に変身させる装置、以上の3モデルについてお届けする予定。そちらもお楽しみに。
斎藤充生