故障を抱えながら44歳までよく投げた。上原浩治はまぎれもなく巨人のエースだ【堀内恒夫の多事正論】
筆者が巨人監督時代、2年連続で上原に開幕投手を任せた/写真=BBM
巨人・上原浩治が現役を引退した。古巣に復帰して2年目の今季は一軍から1度も声が掛からず、ファームでも打たれていた。本人は今季限りでやめるつもりでいたようだが、シーズンが押し詰まると、クライマックスシリーズや日本シリーズがある。そのときに明らかにするとチームに迷惑を掛ける、という配慮もあっての表明だったようだ。 上原と間近で接したのは2年間しかない。私が監督をしていた2004年、05年の2年間だ。彼にはその2年とも開幕投手をやってもらった。指名するときに迷いはなかった。上原はすでに入団2年目の00年に開幕投手を務めてから4年連続で大役を担っていた。つまり、開幕投手は彼しかいなかった。 上原との思い出の中には印象に残るシーンがある。監督2年目のシーズンだったと思う。場所は東京ドームのトレーナー室。上原が治療を受けているところだった。その姿を見て衝撃を受けた。テーピングのテープが・・・
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週刊ベースボール