【鈴木哲夫さん解説】首相指名「結果的に石破さんか」…石破氏・野田氏以外は「死に票」与野党の駆け引き活発に 福岡
■国民・玉木代表の動きは
川崎キャスター: 国民の玉木さんは公約で「政策本位であくまで政策実現するために動くんだ」と言っていますけど、それが結果的に自民党を利することになるわけで、このあたりの国民・玉木さんの動きはどう見ればいいんですか。 鈴木哲夫さん: 国民はこれから、自民とはちょっと距離を置きながらも政策ごとに一緒にやっていくわけです。だから国民が「これ(法案)を通してくれ」って言ったら、逆に(国民は)全体の予算案にも賛成するということになる。自分のところの政策を通すという点では意味はあるけど、トータルで見たら与党じゃないか、とも見えるわけですよね。 そういう意味で、今回自民じゃないところに投票した有権者からすると「えっ、自民党にくっついていっちゃうの?」というふうに見えちゃう可能性がある。ところが国民もしたたかで、来年は参議院選挙がありますから、こんなことやっていたら国民がなんか自民に寄っちゃったじゃないか、とマイナスになるので、また離れるみたいな、各党が寄ったり離れたりしながら来年の参議院選挙まで続いていく。 でも、これはいいことなのか。もっとはっきり分かれてきっちりと議論してほしいというのが僕は思うんですけどね。
川崎キャスター: 「政権の流動化」といって評価する声もありますし、その都度その都度で柔軟に決めればいいじゃないかっていう考え方に関してはいかがでしょうか。 鈴木哲夫さん: そもそも小選挙区制にした時に「日本は二大政党でいつも政権交代可能な体制にしよう」と政治家の皆さんは言ったんじゃないですか。だから小選挙区になってるんですよ今。それをなし崩しで「その時その時、ケースバイケース」というんだったら、もう小選挙区やめて中選挙区に戻すとか、その辺のけじめもちゃんとつけてもらいたい。なんか場当たり的に進んでいくのは僕は良くないと思います。 川崎キャスター: あと「政治とカネ」について、国民は公約で企業団体献金を禁止にしていなくて、どっちかというと自民寄りですよね。当然、立憲や共産は違うので、国民が自民に近づくんであれば「政治とカネ」については絶対うやむやにして欲しくないなと。 鈴木哲夫さん: 鋭いと思います。その辺は有権者がしっかり見ると思うんでしっぺ返しは全部、来年の参議院選挙で来るということになりますね。 川崎キャスター: ということで、また来年夏の参院選に注目したいと思います。 (2024年10月31日放送「報道ワイド 記者のチカラ」より)
テレビ西日本