自転車ケイリン・太田海也が母の日に優勝「いつも決断を押してくれた」…ジャパン・カップ
自転車の国際大会、ジャパン・トラック・カップ最終日は12日、静岡・伊豆ベロドロームで行われ、男子ケイリンで24歳の新エース・太田海也(楽天K・ドリームス)が優勝した。女子は21、22年世界選手権銀メダルの佐藤水菜(同)が制し、大会を通じてスプリント2勝と合わせて「4冠」を達成し、強さを証明した。 今夏のパリ五輪前最後のレース。内容にも納得の勝利を手にした太田は「戦術にも幅が出てきて(武器の)脚力じゃない部分で勝てた。気持ち良く最後まで走り切れた」と笑顔を見せた。インタビューの終盤には「一ついいですか?」と自ら切り出し、「今日は母の日。普段言えないので、生んでくれて、ここまで育ててくれてありがとうございます。小さい頃から僕は、めちゃくちゃなことを言ってきたけど、いつも決断を押してくれた。優勝したら言おうと思ってました」とカメラの前で感謝を伝えた。 高校時代はボートに打ち込んだが、世界の壁が立ちはだかり、19歳で競技から離れた。22年に日本競輪選手養成所を早期卒業し、競輪デビュー。今年4月中旬までのパリ五輪選考レースで急成長を見せ、五輪が目前の位置まで上り詰めた。この日の決勝は「普段は自分からレースを動かしにいくが、そういう動きはなしに足をためて一発で仕留めにいった」。最後の1周から先頭に立ち、21年東京五輪銀メダルのアジズルハスニ・アワン(マレーシア)らライバルを寄せ付けない走りで逃げ切った。 パリ五輪の代表は日本自転車競技連盟が選考し、6月上旬に発表される。今夏の五輪では日本の“お家芸”といわれるケイリンなど短距離勢には大きな期待がかかる。太田は「(五輪へ)しっかり準備をできているアピールはできた。選考されるか分からないけど、日頃の練習からもっともっと精度を高めて、体も心も作っていきたいです」と初の夢舞台へ覚悟をにじませた。
報知新聞社