避難所生活の中で見えにくい“女性のSOS” 廊下に山積みの生理用品「受け取るのは気が引ける」 医師は『女性の方がトイレを我慢する傾向…健康リスクも高い』
元日の能登半島を襲った震度7の揺れ。 ふつうに暮らしていた人たちが突然、被災者になり、考える間もなく、避難所での生活が始まりました。 ■【動画で見る】「届かない女性の声」 避難所で性犯罪 女性の体を触った疑いで19歳の男逮捕 「夜中に暗闇で授乳中男の人が入ってきた」身の危険を感じる女性も その中で出されていた「女性のSOS」を取材しました。
■毎月やってくる「生理」 避難生活では生理用品を受け取りづらい
大地震の混乱の中、避難先では女性特有の「生理の問題」が生じていました。 【避難者】「実は1月3日にちょうど(生理に)なった。(生理は)止めることができないし、感染症になる恐れがあるので(生理用品の)替えは必要」 また避難所の女性の運営スタッフは「被災女性から『ナイト用の大きいナプキンありますか?』って」「それで物資担当の方にお願いして入れてもらったり」と話します。 数日後にナプキンは届きましたが、通路や廊下に山積みの状態で、取りに行くのを控えた人もいました。 【避難者】「プライベートな空間があまりないので、(生理用品などを)受け取るのは気が引けるというか、恥ずかしい部分もあるかな」
■避難所生活では身の危険を感じることも
家族以外との集団生活は、気づかぬうちに、気持ちが追いつめられることもあります。 赤ちゃんを連れて非難をしている人は「広い場所なので、子供の泣き声が、みんなの迷惑になるので困っています」と話します。 こんな状態の中、身の危険を感じたという女性の声も聞かれました。 【避難者】「授乳しているめいっ子がいて、夜中に起きて暗闇で授乳していたら、男の人が急に入ってきて」 【避難者】「2月ぐらい、震災から結構たっているんですけど、金沢在住の男性から『生活に困ってるから、被災関係なく避難所でしょ、ここ』って。断ったら『もう1回、地震くればいいのに』って捨てぜりふ言って帰った」 被災地では、避難していた10代の女性の体を車の中で触った疑いで、19歳の男が逮捕されるといった性犯罪も起きています。
■女性の方がトイレを我慢する傾向があり、健康のリスクも高い
断水の影響で使えなかった「トイレの問題」について、多くの女性が声を上げました。 【避難者】「トイレは最初は外で穴を掘って。中身、全部見えるじゃないですか、大も小も」 【避難者】「学校のトイレをみんながどんどん使っていくので。(汚物で)盛り上がっていく感じ。すごく不衛生で、その状態で手も洗えないですし」 【避難者】「トイレとか困って水分とらずに我慢して」 男女問わず直面する「トイレの問題」。 ただ専門家は、女性の方がリスクが高いと指摘します。 産婦人科医の池田裕美枝医師は「女性の方がトイレを我慢する傾向にあったため、血栓症になりやすかったのではないか」と指摘します。 2016年の熊本地震では、エコノミークラス症候群で入院した人の約8割が女性でした。トイレの回数を減らすため、水分をとらないようにして、血栓ができやすくなっていたとみられます。さらに女性はぼうこう炎になりやすく、重症化するリスクも高いといいます。 【産婦人科医 池田裕美枝医師】「ぼうこう炎になると腎盂(じんう)腎炎のリスクも上がってくる、そうするとばい菌が全身に回って、敗血症になったり重症になる。泌尿器系の細菌感染症のリスクは女性の方が大きい」
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