避難所生活の中で見えにくい“女性のSOS” 廊下に山積みの生理用品「受け取るのは気が引ける」 医師は『女性の方がトイレを我慢する傾向…健康リスクも高い』
■避難に役立つポーチ、中には洗浄液や防犯ブザー…NGO代表は「持って歩いてほしい」
女性の困りごとを解決しようとする動きもあります。 物資の支援拠点で、NGOが配布していたポーチにはデリケートゾーンの洗浄液や防犯ブザーなど、非常時に役立つ物がまとめられています。 【災害NGOラブ&ピース 橋之口みゆき代表】「こういう袋に入れて、1番最初に本当は配りたい。今はちょっと遅いかなと。何よりも防犯に目を置きたいので防犯ブザー。余震で崩れても吹ける。持って歩いていてほしいなと」
■誰かに言われたわけではないがそうせざるを得ない「役割分担」
災害は、無意識のうちに思い込んでいる「性別による役割分担」も表面化させます。 七尾市に住む、後藤ひとみさんは自宅が被災し、避難所で約1カ月間生活をしていました。 【後藤ひとみさん】「(避難所から家に)帰ってから、1人で頑張って片付けましたよ。お正月の煮物なんかは下にびったびたになっていて」 避難所では、女性たちが朝から晩まで炊き出しや掃除を担っていたため、自宅に戻り、片付けをすることはほとんどできませんでした。 【後藤ひとみさん】「(炊き出しは)1回だけというわけには、いかないとなるじゃないですか。誰かに『ずっと作ってください』と言われたわけでもないですし、流れで…そうせざるを得なくなってしまった。田舎ですからね、男女平等という言葉が世の中にあっても、『何、生意気言っているんや』と怒られるかもしれないですけど、この地域にはなかなか男女平等は通用しないのかなと」 一方で、男性の力を借りることで、スムーズにいった作業があったのも事実でした。 【後藤ひとみさん】「テントを避難所の中に設置する時も、男性がパパっと組み立ててくれたり。そう思うと、それぞれに役割があるのかなと、納得する部分もあるけれど、ご飯作ったり掃除は誰でもできるでしょ」 ひとみさんの夫の純一さんにも話を聞きました。 (‐Q.避難所では妻・ひとみさんが、ずっと料理を担当していたと聞いたが…) 【夫・純一さん】「そりゃそうやな。動ける人が動いてやらんと、当たり前です」 【ひとみさん】「っていう人です。だから動いていました…ということで、ちゃんちゃん」 【夫・純一さん】「動いていましたなんて言わなくていい。当たり前だから」 【ひとみさん】「当たり前だそうです」
■固定化された性役割を解決した避難所
性別による役割の偏りを解決しようと、早くから取り組んだ避難所があります。 避難世帯を班ごとに分け、炊事や掃除などを分担し、仕事や自宅での片付けがあっても参加できるよう、時間帯も考慮しました。 運営について話し合う班長会議には女性も参加しています。 【避難者】「(前にいた避難所では)ごく一部の人だけに負担がかかって、(担当者が)倒れた途端に、食事提供がなくなったら、さ~っと人がいなくなった。でも、ここに来たらちゃんと班で分けていて、みんなでやろう・みんなで考えよう・みんなで知恵を出そうとする。そうしたら、すごくいい避難所になった」 (関西テレビ「newsランナー」2024年3月7日放送)
【関連記事】
- ■中学教師が「セックス」指導 “コンドームの付け方実践”や“出産シーン鑑賞”に挑戦 「先生セックス何回したことある?」なんて質問も
- ■留置施設で「ノーブラ」 夫を殺人未遂疑いで勾留の女性 弁護士が「ブラトップ」差し入れるまで11日間下着なし 警察が着用可能な下着の説明せず
- ■寺で繰り返された性的暴行 「坊主に逆らうと地獄に落ちる」と脅され 尼僧が涙の訴え 毎晩髪をそられて…
- ■女子中学生が「美人局」か 大学生が中学生3人から逃げる途中でビルから転落死 防犯カメラが中学生とみられる男女を捉える
- ■「限界ニュータウン」 新築時2600万円が113万円 「だまされたとは思わないけど…」 “バブル期”開発 街から離れ、病院も学校もなく