「古里の魅力を世界へ」ショウガのクラフトティーを生産農家の協力で開発/京都府・福知山
京都府福知山市夜久野町額田下町出身で、「植物蒸留らぼ.DD」(神奈川県横浜市)の山下美紀社長(52)が、夜久野で取れたショウガを使ったクラフトティーを開発した。「古里の素材を世界に届け、地域の魅力を広めたい」との思いで現在も改良を続けている。 山下さんは高校卒業までを福知山で過ごし、NHK京都放送局のキャスターなどを経て2019年に同社を設立。体に優しい素材を使った食品の研究開発、製造、販売などを中心に、植物、蒸留、香り、食を通じた美と健康のプロデュース事業を展開する。 商品開発は、福知山公立大学が市の委託を受けて開く起業家育成講座「NEXT産業創造プログラム」の一環で実施。今年度の受講生である山下さんは、地域資源の活用を目的に、自社の理念にも通じる「心身の健康」をテーマに取り組み、昨年9月から製品の試作を重ねてきた。 地場の素材を生かして手作りする茶や紅茶などを指すクラフトティーとして、商品名は「香福R00(コウフクアールゼロゼロ)」。夜久野産のショウガをはじめ、レモングラスや和漢植物など厳選した7種類の素材をブレンドして作る。お湯や炭酸水で割って飲むほか、ヨーグルトやアイスにかけるシロップ、少し煮詰めて肉料理のソースとしても使えるなど、さまざまな味わい方ができるという。 夜久野産ショウガを提供するのは同町稲垣で20年以上ショウガ栽培をする永井一男さん(80)。昨年12月に山下さんから相談を受け、「地元の食材を役立ててくれるのなら」と、協力に応じた。
27日からCF開始
27日からは資金調達のためのクラウドファンディング(CF)を開始する。 テストマーケティングも兼ねたCFは、専用サイト「キャンプファイヤー」で2月28日まで行う。目標金額は70万円。集まった資金は製造費やマーケティング費に充て、支援者への返礼は限定パッケージの商品、レシピ動画などで、発送は6月ごろ。 CF終了後は一般販売も予定していて、山下さんは「忙しい日々に安らぎを届けられる商品をめざしました。シリーズ化も視野に入れていて、今後は福知山全域の素材を使った幅広い商品を展開し、地元の特産品に新しい価値を与え、多くの方に喜ばれる商品を国内外に届けたい」と意気込んでいる。