【衆院選】宮城県内も自民の議席激減 立憲が大幅増 比例単独の森下千里氏が初当選
10月27日、投開票が行われた衆議院議員選挙。いわゆる「裏金問題」などへの批判が大きな逆風となり、自民党が大きく議席を減らしました。宮城県内でも5つの選挙区のうち、立憲民主党が4つの選挙区を制しました。当選した候補者は一夜明け、早速、街頭に立つなどし国政への意気込みを語りました。 宮城1区は立憲民主党の前職・岡本章子氏が小選挙区では初めての勝利を収め、3回目の当選を果たしました。 宮城1区で当選 立憲・岡本章子氏 「皆さんとともに、この勝利を喜びたいと思います。そして、今からのスタートだと思っています」 当選から一夜明け、岡本氏は28日朝、太白区のJR長町駅前で恒例のゴミ拾いをしたのち支援者に感謝の気持ちを伝えました。 宮城1区で当選 立憲・岡本章子氏 「私自身は徹底して国民の側、生活者の側に立った政策、主張をしていくということで、生活者のための政治を実現するようにしっかり声を出していきたい」 一方、6回目の当選を目指した自民党の前職・土井亨氏は2012年から守ってきた議席を失い、比例での復活も叶いませんでした。 宮城1区で落選 自民・土井亨氏 「こういう結果ということでありますので、しっかりと受け止めながら、これからまた精進していきたいと思いますし、何かしら仙台・宮城県のためにお役に立てればと、そういう今、気持ちでございます」 宮城2区は立憲民主党の前職・鎌田さゆり氏が、前回に続いて小選挙区で勝利し、4回目の当選を果たしました。勝利の要因について、鎌田氏は「政治不信を抱える有権者の受け皿になれた」とし、具体的な政策を進めると意気込みました。 宮城2区で当選 立憲・鎌田さゆり氏 「高校・大学の授業料の無償化、入学・進学、子供のお金のために家計からどんどん金が流れて行っている。家庭の皆さんからの負担が可能な限り少なくなるように税制の体系を、他にもいっぱいありますよね、見直す仕事をさせていただきます」 一方、8回目の当選を目指した自民党の前職・秋葉賢也氏は、比例での復活も叶わず、落選となりました。 宮城2区で落選 自民・秋葉賢也氏 「看板を破壊されたり、出所不明の怪文書が選挙区内に大量にばらまかれたりして、非常にアンフェアな面もあったのかなという思いは個人的にはしておりますが、本当に私の力不足ということに尽きるんだろうと思います」 宮城県内唯一の与野党一騎打ちの構図となった宮城3区は、立憲民主党の新人・柳沢剛氏が制し、初めての当選です。 宮城3区で当選 立憲・柳沢剛氏 「本当に皆さんに助けていただき、皆さんの声をいただいた結果がこうした結果になったと思う。本当に感謝申し上げます。身が引き締まる思い。皆さんの声を政治の世界に伝えるメッセンジャーとしてアグレッシブに、皆さんの声を政治の世界にぶつけさせていただきます」 当選から一夜明け、柳沢氏は事務所で当選を報じる記事に目を通しました。 宮城3区で当選 立憲・柳沢剛氏 「すごく重みを感じる。しっかりやんなきゃなという気持ちです」 JR名取駅の街頭に立ち、通勤・登校する市民などを見送りました。その後、名取市役所では山田市長に当選の挨拶をしました。 山田市長「まずはご当選おめでとうございます」 柳沢氏「ありがとうございます」 山田市長からは国会議員としての役割を果たしてほしいと要望を受けました。 山田市長「我々は、目の前の課題を毎日解決していかなきゃいけないので、そのためにやはり地方に必要な財源とか、国との折衝とか、ぜひそこはお願いしたい」 柳沢氏「わかりました。できる限りの力を振り絞ってやらせていただく」 選挙戦では、裏金問題への批判を徹底的に訴えた柳沢氏。今後、国会議員として政策の実現など実績も求められます。 宮城3区で当選 立憲・柳沢剛氏 「やっぱり物価も上がっています。それに伴って賃金が上がっていない状況の中で、子供が生まれれば、その数が増えれば増えるほど生活が苦しくなってしまう。少子化対策や先ほど言った給食費の無償化とか、どういった形で結果を出せるのか、いろんな議員の皆さんのお話を聞いて、それが早くできるように訴えていきたいと思う」 7回目の当選を目指した自民党の前職・西村明宏氏。自身も戒告の処分を受けた裏金問題を巡り、有権者の理解を得ることはできませんでした。 宮城3区で落選 自民・西村明宏氏 「勝ち抜けなかったこと、本当に申し訳なく思っております。これから再び国民の皆様の命と暮らしを守る。この原点に帰って前へ前へと進んでいきたいと思います」 区割り変更の影響を受け、ベテラン議員同士の対決となった宮城4区は、立憲民主党の前職・安住淳氏が制し、10回目の当選を果たしました。 宮城4区で当選 立憲・安住淳氏 「ここに暮らす全ての皆さんと地域を幸せにする責任が重くのしかかりましたので、本当に頑張っていきたいと思う」 一方、9月末まで環境相を務めた自民党の伊藤信太郎氏は、自民支持層を固めきれなかったほか、無党派層に浸透せず、8回目の当選とはなりませんでした。 宮城4区で落選 自民・伊藤信太郎氏 「私の力不足の為すところであると思います。皆さんからいただいた、このご恩をどうやってこれからお返しできるかしっかり考えて行動して参りたいと思います」 宮城5区は自民党の前職・小野寺五典氏が盤石の戦いを見せて9回目の当選を果たし、県内で唯一、自民党の議席を守りました。 宮城5区で当選 自民・小野寺五典氏 「今回まずは信頼回復から始めます。これからもできるだけコツコツ地元を回って皆さんの声をしっかりと聞きながら形にしていきたいと思いますので、最前線にいらっしゃいます市長さん町長さんはじめ多くの皆様、これから私をこき使っていただければと思います。宜しくお願い致します」 一方、比例東北ブロックに単独で立候補していた自民党の森下千里氏は初めての当選を果たしました。自民党が大きく議席を減らす中での当選に笑顔はなく「責任の重みを感じる」と述べました。 比例東北で当選 自民・森下千里氏 「改めてこの厳しさと、今回の当確に対する重みというのを大変に感じています。頑張りますのでよろしくお願いします。ありがとうございました」 一夜明け、森下氏は石巻市内の街頭に立ち「地域の発展のため、日本の発展のために取り組む」と訴えました。 比例東北で当選 自民・森下千里氏 「私としては信頼していただけるような人物でなければならないなと改めて強く思っています。これからも地元の皆さんの声を聞かせていただきながら、中央に届けていけるように頑張っていきたいと思っています」 このほか、公明党も東北ブロックで1議席を獲得し、宮城県本部代表の庄子賢一さんが2回目の当選を果たしています。今回の衆院選の県内の投票率は期日前投票も含めて52.16%で、前回3年前の選挙よりも3.71ポイント低くなりました。
仙台放送