『桜井政博のゲーム作るには』制作費は約9000万円。もちろん利益ゼロ。すべては「未来のゲームをよりよくするため」。最終回スペシャルで公開
『星のカービィ』シリーズ、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズなどを手掛けたゲームデザイナーの桜井政博氏は、YouTubeチャンネル『桜井政博のゲーム作るには』の“最終回スペシャル”を2024年10月22日(火)20時よりプレミア公開した。 【記事の画像(5枚)を見る】 動画内では、チャンネルについてのさまざまな裏話が赤裸々に語られている。中でも衝撃的なのは“(最終回スペシャルを除く)すべての動画が2年半前には撮り終わっていたこと”、そして“制作費の総額は約9000万円、収入はゼロ”であったということだった。 桜井氏によると、このチャンネルは『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のDLCがすべて配信されて次のゲームの制作に移ろうというとき、制作チームの招集まで5ヵ月を要することがわかり、立ち上げを決意したのだという。 次に制作するゲームが本格始動する前に多くの作業を完了しなければならない都合から、桜井氏はチャンネルで紹介する内容の全体像を構想、パイロット版の制作、すべての原稿の執筆、そして256本の動画の撮影までを2021年10月から2022年4月のあいだにすべて済ませたことになる。 その後の動画編集は、IPコンテンツ制作を幅広く行う“HIKE(ハイク)”に依頼(依頼当時の社名はキュービスト)。英語版への翻訳は『UNDERTALE』や『ストリートファイター6』のローカライズなど、数多くの実績を持つゲーム翻訳会社・ハチノヨンが手掛けていることなども明かした。 また、印象的な動画の開始時、終了時のOP・EDジングルは『世界樹の迷宮』シリーズの楽曲などでも有名、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズでは『メインテーマ(ゼルダの伝説)』のアレンジバージョンの編曲などでも関わった古代祐三氏が手掛けていることも判明。 そんなチャンネルの制作に掛かった制作費の総額は約9000万円。当初の予想より遥かに高くついたという桜井氏。その多くが非常に労力の掛かる編集作業を請け負ったHIKEへの支払いだったという。 収益化をしていないチャンネルの収入はもちろんゼロ。作業負担も大きく、自身のノウハウを流出させる行為でもあるという、リターンなどまったくない動画公開だったが、ひとえに「未来のゲームを少しでもよくするための投資」として続けていたということだった。 『桜井政博のゲーム作るには』“最終回スペシャル”では、ほかにもこのチャンネルのさまざまな種明かし、驚きのデータ、桜井氏の生活スケジュールの壮絶さなどが詳らかにされている。新作ゲームを開発中であることも明かされているので、ぜひチェックしてほしい。 ※画像は『桜井政博のゲーム作るには』よりキャプチャーしたものを使用