カラテカ入江「人の名前や顔を勝手に使っていいわけない」“闇営業”パロディポスターで訴訟に踏み切ったワケ
吉本興業からの契約解除で“闇営業騒動”で責任を取り、清掃会社経営者としての再起を図っていた入江慎也さんを悩ませたパロディポスター問題。勝訴的和解に至るまでの心境を聞いた。 〈画像〉店舗に堂々と4年間も貼られていたポスターと自身の清掃会社ピカピカで働く入江さん
「弱ってるときにくるのが一番キツイ」
――ポスターのことはどうして知ったのですか? 入江慎也(以下、同) 吉本の後輩と友達3人ぐらいから「こんなひどいの貼ってますよ」ってLINEが来たんです。2019年の8月とか9月、(吉本を)契約解除になってすぐくらいですかね。 「訴えたほうがいいっすよ。やりたい放題じゃないですか」って言われたんですけど、僕も騒動の真っ只中で迷惑かけたばっかりで、怖くてちょっと動けないなと思ったんです。「納得いかないでしょ」って言われたんですけど「辛いけど、無理だわ。ありがとう」って返したんですよね。 コロナになって、1年間アルバイトして清掃会社「ピカピカ」を起業しました。その間も複数の友達から、別々の店で「まだ貼ってある」と聞きました。最後に去年、友達からLINEがきて「まだ貼ってるよ。これひどいよね。入江さんも今違う仕事してんだし風評被害もひどいんじゃない? 剥がしてもらったほうがいいんじゃない?」って知らせてくれたんですよ。 コトが大きくなるのも嫌だったけど、さすがに我慢の限界でした。そこで内容証明を送りました。謝ってほしい、ぐらいの気持ちで「やめてください」っていうくらいの内容でしたが、無視されたんです。 ――それで裁判に? 悔しかったですね。「闇営業」って(みられる)のを僕は払拭したくて清掃をがんばってたとこもあるんで。 会社も今は社員が14名いるから、社員のお母さんとかに「闇営業の社長のとこで働いてんの?」と言われるのも申し訳ないと思って。それでさすがに「裁判起こさせてください」って加藤博太郎弁護士にお願いしたんです。 ――こうした裁判では比較的高額の90万円の和解金支払いという決着になりました。 裁判所は僕の主張を理解してくれたのだと思います。 僕は今では芸能の仕事をしてないですが、講演会に呼んでいただいたりYouTubeに出させていただいたりはしているので、写真を撮られたり名前が出たりするのは覚悟してるんです。でもこんないじられ方すんのは……。 やっぱ吉本辞めてから、人間的に弱ってるときにくるって、キツいなと思いましたね。現役のときならまだいいですけど。吉本を契約解除になって1人だっていうことを向こうもわかってんじゃないかなと思います。おもしろがってやってるだけだってのはわかるんですけど。でも当の本人には辛かったり、いろんなことは思いますよね。