[DSP大全]「メインユニット内蔵型DSP」で低音をスッキリさせるテクニック!
なお、ドア内部がビビる場合にもこの操作が有効となる。なぜならドア内部の鉄板をビビらせる原因となるのは、スピーカーの裏側から放たれる音の低域成分だ。なのでドアスピーカーの下側の再生範囲を狭めると共振させる元凶を減衰させられるのだ。
◆クロスオーバーが使えれば、低音の前方定位が実現可能に!
そしてサブウーファーを導入した場合には、クロスオーバーを駆使すると「低音の前方定位」を実現できる。
低音の前方定位とは、以下のような聴こえ方のことをいう。サブウーファーはシート下やトランクに搭載されることとなるので、普通なら低音は下から、または後方から聴こえてくる。しかしチューニングが上手くいくと、低音もフロントスピーカーから聴こえてくる。これが低音の前方定位だ。
そうなるメカニズムは次のとおりだ。低音は出どころが分かりづらい。対して高音は出どころが分かりやすい。なので高音から低音までが一体化すると、出どころが分かりづらい低音もフロントスピーカーから聴こえてきていると錯覚するのだ。
で、これを成立させるには「位相」の設定が上手くいくかどうかが鍵となる。なお位相とは、「音波のタイミング」だとイメージしてほしい。音は波紋のように空気中を波打ちながら進んで行くのだが、フロントスピーカーとサブウーファーの音の波打ち方のタイミングがシンクロするとその状態は「位相が合った」と表現され、高音から低音までが一体化する。
その合わせ方は、次回の記事にて解説する。乞うご期待。
レスポンス 太田祥三