トラウト&レンドンとの112億円が“失敗”? エ軍オーナーが告白した大谷翔平との再契約交渉の舞台裏と年間99敗の現状
その手腕が何かと世間を賑わせる大物オーナーの言動が注目を集めている。 現地時間10月10日、エンゼルスのアルテ・モレノオーナーはMLB公式サイトの電話取材に対応。昨オフに大谷翔平(現ドジャース)と再契約ができなかった理由を明かした。 【動画】三塁の塁審にボールが当たる不運!大谷翔平がまさかの本塁憤死のシーン そもそも“共闘”する可能性は小さいと見られてはいた。球界で唯一無二と言われる二刀流を続ける中で、大谷は「勝ちたい」「ヒリヒリとした9月を」と強調。幾度となくチームとしての勝利を望んだ。一方でエンゼルスは再建期に突入し、若手中心の編成に切り替えようという時期にあった。 そうした中で昨年12月に大谷は10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)という“超”が付く巨額契約でドジャースに移籍。エンゼルスとは高速道路を挟んだ向かい側に拠点を構える名門に移った。 今季にエンゼルスが球団ワーストとなる99敗を喫した結果をふまえても、大谷を失った影響は計り知れない。ゆえにモレノオーナーは猛烈な批判の的に。世間では以前から叫ばれていた退陣論が強まっている。 自身へ批判の矛先が向けられる中で、モレノオーナーは「現実的に、競争力のあるチームを作らなければならない」と言及。そして、大谷との再契約に至れなかった理由については「マイク・トラウトと2030年までシーズンあたり3750万ドル(約55億8000万円)で契約し、アンソニー・レンドンは26年まで3850万ドル(約57億2000万円)で契約したため、ショウヘイ・オオタニと再契約することは不可能になった」という。 大谷という大黒柱を失い、屈辱的な1年を過ごした。とはいえ、現在のチームには、23本塁打を放ったザック・ネトや、20本塁打の正捕手ローガン・オホッピー、同じく20本塁打をマークしたジョー・アデルなど投打で飛躍が期待できる若手も台頭してきてはいる。 そうした現状を「若い選手が何人かいて、今まで以上に厚みがある」と語るモレノオーナーは、こうも断言する。 「26年にはさらに厚みが増す。25年を見ている時は、25年と26年の組み合わせを見ている。私たちがしなければならないのは25年にできるだけ競争力を高めることだ。26年をより深くするためにも何かをしたいと考えている。今はとにかく十分な資金を投入し、ファンの関心を引き、私たちが何を達成しようとしているのか理解してもらう必要がある。批判を受けるのは現場の努力が足りないからではない」 意欲は十分なモレノオーナー。果たして、彼らは来季に“暗黒時代”を打破するキッカケを掴めるのか。兎にも角にもオーナーによる後ろ盾が求められるのは間違いない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]