ペドロ・アコスタ「マルケスの最年少優勝記録更新は不可能」19歳でMotoGPクラスデビューの新人、期待をシャットアウト
今シーズンからMotoGPの最高峰クラスにデビューするペドロ・アコスタ(GASGAS)は、現在マルク・マルケスが保持する最年少優勝記録を塗り替える事は難しいと考えている。 【ギャラリー】新人のアコスタ、まだ体の線が細い? アコスタはMoto3、そしてMoto2クラスを計3年間で駆け上がって2024年にMotoGPクラスにたどり着いた。その才能は次世代のマルク・マルケスとも称され、彼には大きな期待がかけられている。 そんなアコスタへの期待のひとつが、最年少優勝記録の更新だ。現在の記録は6度のMotoGPクラス王者であるマルケスが持つ20歳63日となっているが、まだアコスタは19歳なのだ。 5月25日に20歳となるアコスタには、シーズン7戦までが記録更新のチャンスとなる。しかし、アコスタ本人は、7戦で勝利をおさめて記録を更新することは不可能だと考えている。 マルケスの持つ記録更新を期待しているかと訊かれたアコスタは、次のように答えた。 「まあ、そうは思わないね。MotoGPの時代も違っている。バイクもかなり変化しているんだ」 「(テストでは)かなり周回を重ねたけど、多くのバイクの後ろでレース的な練習はしていないんだ」 「大変だろうね。皆の期待がかなり高まっているのは分かるけど、期待はなんの役にも立たない」 「この件について皆が話したり考えたりすることはできるだろう。でもMotoGPは違う時代になっていて、キャリアの中でも異なる瞬間にある。今はこの件を考える瞬間じゃないよ」 しかし、記録を“破られる”側であるマルケスはアコスタが自身の持つ記録を更新する可能性はあると考えている。 「彼はMoto3そしてMoto2で非常に才能があることを示してきた。それはセパンテストでも、カタールテストでも同じだ」 「非常に才能があるなら、バイクに乗ってすぐに速さを発揮できる」 「これまでにも多くのルーキーが表彰台や勝利を収めてきた。だから彼には僕の記録を当然破れる可能性があるということだ」 「そして、将来的に彼はMotoGPの主役のひとりになるだろう」 アコスタはここまでのキャリアの中ではMotoGPクラスへのステップアップよりも、Moto3からMoto2へのステップアップのほうが自分にかけられていた期待の重さから、より難しかったと語っている。 「Moto3からMoto2への移行は大きな変化だった」とアコスタは言う。 「メディアも僕には厳しかったかもしれない」 「カテゴリーの変化と言う以上に、メディアからの変化が大きかった」 「僕の立ち位置がそうだったんだ。(Moto2昇格後に)期待は大きくて、ルーキーイヤーにチャンピオンシップを勝ち取るだろうと予想されたシーズンだったんだ」 「前年のMoto3クラスでは、誰もが僕にMotoGPクラスへ直接上がるだろうと期待していた。メディアが僕にとってかなりタフだったのかもね」 「今は少し歳を重ねて、そういったことの経験もより積んできた。バイクが変わったことよりも、経験のほうが大きいんだ」
Rachit Thukral