「勝ちにこだわるのは一緒です」FW森田晃が決勝弾 帝京が浦和Yに1‐0で辛勝
6月22日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 関東1部午後3時半から浦和駒場スタジアムで浦和レッズユース(以下・浦和Y)と帝京高校が対戦した。 【フォトギャラリー】浦和レッドダイヤモンズユースvs帝京 試合は0ー0で迎えた58分、帝京はセットプレーの流れからMF14加賀谷翼(2年)の浮き球のパスにFW10 森田晃(3年)が頭で合わせて、先制。さらに帝京は66分、カウンターからDFラインを飛び出したFW10森田がペナルティエリアに進入し、FW9宮本周征(2年)にラストパス。受けたFW9宮本は、あとは流し込むだけだったが、浦和Y・GK25小森春輝(3年)の必死のセーブに阻まれ、追加点とならなかった。試合は帝京が1‐0で競り勝ち、勝点を「11」に伸ばした。敗れた浦和Yは1点が遠く、勝点「13」のままとなった。 タレントを揃えながらも組織的な堅守を見せた帝京。ハードワークをベースに攻守一体の浦和Y。試合は互いの特長を引き出しあう展開に。特に前半は中盤の主導権争いとなり、双方、チャンスは作るが、決定的なピンチをあまり作らせない、緊張感のあるゲームとなった。 「どっちが先に点を取るかという試合でした」と振り返った浦和Y 平川忠亮監督は「前半、いい形でボールを奪ったなかで何度かオフサイドになったのは痛かったです。自分たちで試合をコントロールしながら、ショートカウンターのシーンは出せていましたが、後半になって疲労から前に出ていけず、守備では低い位置を取ってしまいました。セットプレーからの失点で試合は難しくなってしまいました」と総括。 また帝京DF3ラビーニ未蘭(3年)は「もう少し崩して点を取りたかったですが、(浦和Yの)守備が堅く、崩すのが難しかったです。(浦和Yの)特徴である攻撃を出してきたので、守備で我慢しながら攻撃をうかがっていたので、難しい試合でした」と語った。DF3ラビーニ未蘭は左サイドバックながら、果敢なオーバーラップで攻撃の起点となるが、前半途中から攻撃参加を自重し、守備に重きを置いたほど、浦和Yの攻撃は圧が強かった。 それだけ両チームともにやりづらかったことがわかる。ただ、試合を分けたのは決定力。 浦和Yは帝京を押しこむ時間帯を作りながらも押しきれず、相手のタイトなマークに、あるいは平川監督が触れたようにロングフィードから抜け出してもオフサイドとなるなど、判定に泣いた部分があった。 一方、決勝点を決めた帝京のFW10森田は今月16日に行われた令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京2次予選決勝・駒澤大高(2-1)戦でケガから復帰したばかりながら先制点。浦和Y戦ではファーストシュートが決勝点となるなど、勝負強さが光った。 「自分が表現できることをやり続ければ、いつかチャンスが来る、そう信じていました」とFW10森田は胸を張った。 帝京にとって、インターハイ(総体)東京予選 2次トーナメントで優勝を果たした翌週の試合。モチベーションとしても難しいものはあったかもしれない。そこを引き締めたのが帝京・藤倉寛監督。「監督からは勝点1ではなく、勝点3を取りに行こうと呼びかけがありました。先週まではインターハイに向けた戦いでしたが、勝ちにこだわるのは一緒です(FW10森田)」「引き分けではなく絶対勝点3を取ろうと監督から言葉がありました。内容より勝ちきって、勝点3を取ることが一番大事でした(DF3ラビーニ未蘭)」気持ちを緩めず、おごることなく、首尾よくあげた勝点3はいまの帝京の強さを物語っている。 (文・写真=佐藤亮太)