自民党総裁選…徹底分析「候補者たちの夏」後編
注目⑥ 小林鷹之(49) 【出馬待望論】
●最新コンディション 中堅・若手議員の間で「出馬待望論」が広がっているのが、小林鷹之議員、49歳。裏金事件で傷ついた党のイメージ刷新を担うのに期待が集まる。ある若手議員は「まだ誰も小林を担ぐと明言してはいないが、自然発生的に若手が集まる」と語る。小林氏自身も総裁選について「時が来たらチャレンジしたい」と出馬への意欲をにじませている。 ●ストロングポイント 小林氏について、ある自民党の中堅議員は「若くて選挙の顔になる」と話すなど「刷新」の象徴になるのでは、との期待が集まっている。開成高校から東京大学に入り、財務省を経て38歳の若さで初当選、経済安保相も経験するなど、「若手ホープ」として注目される存在だ。小林の「コバ」と、鷹の英語名「ホーク」を合わせた、あだ名は「コバホーク」。周囲からは「謙虚」「悪口を言う人がいない」との声もあがり、中堅・若手議員からは派閥にとらわれず高い評価を得ている。今後、ベテラン議員にも支持を広げていけるかがポイントとなる。 ●ウィークポイント 自民党関係者は「どこの誰だか知らない人が手を挙げても、自民党の勢いは回復しない」と知名度の低さを心配する声があがる。最新の世論調査でも、「ポスト岸田」として小林氏を挙げたのは1%と、同じく中堅・若手からの支持が高い小泉進次郎氏の15%と比べてかなり低い。ある自民党議員は「国民の認知を得るには時間がかかる」と指摘。また「小林では総裁選にかかるカネを集められない」(自民党幹部)との声も。準備不足、そして知名度不足をどう克服するかが課題。
■注目⑦ 野田聖子(63)【出馬に意欲】
●最新コンディション 前回の総裁選での出馬以降、2回目の出馬に意欲を示し続けている野田聖子元総務相。前回の出馬時に推薦人として野田氏を支えた議員らとの定期的な勉強会を行うなど支持拡大を狙っている。 ●ストロングポイント 今年2月、BS日テレ「深層NEWS」で総裁選について「準備していく」と意欲を示した。男性中心の政治風土を早くから批判し、女性の政治参画を訴えてきた野田氏に対しては、党内から「初の女性首相候補」として期待の声があがる。また、裏金事件を受け派閥政治への逆風が強まる中、野田氏は周辺に「派閥がバックにない無派閥を貫いてきた自分にとってはチャンスの総裁選になる」と語っている。派閥解消後、初めて行われる戦いで「無派閥」の強みをベースに支持拡大を狙う。 ●ウィークポイント 初めて出馬した前回2021年の総裁選では告示日の前日に推薦人20人が集まり候補者4人の中で出馬表明が最も遅くなり選挙戦に出遅れてしまった。前回総裁選で応援した議員の中には「支持拡大の努力が足りていない」という厳しい指摘も。今回もまずは推薦人20人を集められるかが課題となる。 早くも熱を帯びる、自民党総裁選「夏の決戦」。日本テレビは最新状況を伝え続けます。
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