【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第2ステージ】グローブスが1年ぶりの勝ち星「プレッシャーから解放された」ファンアールトは初のマイヨ・ロホ着用
しかも肝心の中間スプリントで、残す1枠に、ファンアールトは滑り込めなかった。1年前にポイント賞ジャージを持ち帰ったグローブスが、3位通過の15ポイントを、黙って見逃すわけがなかったのだ。ファンアールトは4番手に押しやられ、ついでに前日2位2秒差のマティアス・ヴァチェク(リドル・トレック)は5位と……それぞれ緑ジャージ用ポイントは収集したものの、ボーナスタイムは取れなかった。
中間スプリントの1kmほど先で、抵抗もなく逃げを飲み込むと、集団内には再び淡々とした時が戻ってきた。強い向かい風のせいで、レースは遅々として進まない。序盤4時間の走行時速は35kmまでしか上がらなかった。
ようやくレースが動き出したのは、残り30kmを切ってから。上りを利用してマウリ・ファンセヴェナント(ティーレックス・クイックステップ)が前方へと踊りだすと、マクナルティのマイヨ・ロホを守るために、マルク・ソレル(UAEチームエミレーツ)が素早く後輪へ張り付いた。さらに3選手が後を追う。中には前日6秒差4位のシュテファン・キュング(グルパマ・FDJ)の姿もあった。
もちろんヴィスマが厳しく追走を仕掛け、速やかに5人の謀反は鎮められた。ただ一旦上がったスピードや緊張感は、もはや緩むことはなかった。総合系チームも次々と集団前方で隊列を組み上げた。フィニッシュ手前19kmに立ちはだかる4級山岳に、大量のファンが詰めかけていたせいで、ポジション争いはますます熾烈になった。
そんな山道を覆う熱狂が、ヴァチェクの落車を引き起こした。観客と接触し、新人賞ジャージ姿で地面に転がり落ちてしまったのだ。
バイク交換を余儀なくされるも、ヴァチェクは大急ぎでして走り出した。集団とは一時45秒近くも離された。総合エース、マティアス・スケルモースのために走っているリドル・トレックの仲間たちは、おそらく待つことを許されなかった。幸いなことに、前日のTTで披露した驚異的な脚は、この日も健在だった。たった1人で粘り強く追走し、4級山岳の下り途中で、見事に集団復帰を果たした。 「脚の調子は良かったから、全力を尽くした。残念ながら、それ以上のパワーは残っていなかったから、フィニッシュでマイヨ・ロホ争いに混ざることは出来なかったけどね。とにかく無傷で、上手く切り抜けることができてホッとしてる」(ヴァチェク) ちなみに本来ならば持ち主がいないはずの山岳ジャージを身にまとっていたキュングは、4級山頂で2ポイントを回収。同ポイントで並んだマテを、当然ながら総合順位で上回ったため(4位、マテは129位)、晴れて正当なる青玉シャツの所有者となった。なんとジュニア時代以来、実に13年ぶりの山岳ジャージなんだとか。
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